2013年03月20日

神渡し

2013.3 記
2017.7.6 追記

神渡し
犬飼六岐   角川書店   2012.5
 江戸のかわら版売りの利吉が変死した。その幼友達で同じくかわら版売りの才助と、その文を書いた青山孫四郎が、利吉の変死の謎に挑む。
 一応ミステリーと言っていいと思うが、謎は解明するわけではない。いつまで行っても謎のままで、事件は起こるのだがいっこうに解決の兆しがない。ふたりの個性が対照的で、その掛け合いも面白いが、解決の兆しがなくて読んでいてイライラすることもある。結局判りかけたところで、二人の手から離れてしまう。
 犯人たちにしても、何が目的で大勢の人がそんな事件を起こしたのか、理解に苦しむ。
 そんなわけでミステリー性のある時代小説と言うべきだろう。話の中心はかわら版売りとはどんな商売か。もうひとつ繁華街である日本橋と両国広小路の性質の差もかなり説明している。
 それで、面白かったにもかかわらず、中途半端で物足りない気がする。犯人グループの目的・利益を明確にして欲しい。

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 最近読んだ本は似たような話が多い。例えれば、いろいろと工夫して一億円の費用をかけて手に入れたのに、その品物は百万円の値打ちしかなく、二百万円も出せば喜んで譲って貰える物だったとか。
 なんのために一億円も出して苦労したのか。という疑問だ。

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2017.7.6 追記
 最近読んだ本

 青藍の峠
 天誅組の外伝のような話。サブタイトルが「幕末疾走録」だが、内容を表していない。緒方洪庵塾の様子が細かいが、それ以外何もないといえよう。緒方洪庵の人柄が救い。緒方洪庵を暗殺する名目で、緒方洪庵塾に住み着く主人公はただの人。

 騙し絵
 題名に騙された。江戸の長屋の様子が詳しい。それは正しいかもしれないが、登場人物に思い入れが沸かない。どこにでもある子どもの世界を文にしてみた、という程度の内容。

 この2冊、だからどうした、というのが読後感。主人公やその周辺に共感できる魅力がない。習作というレベルではないのだが、おもしろさは習作なみ。
posted by たくせん(謫仙) at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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