井上純一 2013.2
中国嫁日記の続きのようなものである。月(ゆえ)が日本に来たころ、純一と月は池袋に住んでいた。しばらくして月(ゆえ)は日暮里にある日本語学校に行くことにする。そのときの、戸惑いや教室内のドタバタなどの話だ。カバーの裏には
ジンサン
「〜するものだ」と
「〜することだ」は
どう違いマスカ?
とある。
このように、日本人なら考えることもなく使いこなしている差を、月が素朴な疑問にして問いかける。
その問いに国語学者の矢澤教授が丁寧に答えている。
国語学とは、言葉がどう使われているかを考える学問であって、正誤を考えるのではない、と言う意味の言葉がある。
それで「一万円からお預かりします」。この「から」の使い方は、おかしな使い方であるので、違和感から「一万円」を強調する効果があるとか。
もっとも、これが正しいと思っている人には効果はなくなることになる。
ひらがなカタカナは片方だけにしてください、と言う意見が外国人に多いとか。
この楽しい学校生活も3月11日を以て終わりとなる。
わたしは、よく「◯◯◯、その言葉の使い方は間違っている」と言ってしまう。しかし、一部の人はそう使っていてそれで意味が通るので、間違っていると断定するのは考えねばならない。その一部が、一千万人か十万人か千人かは知らないが。
もちろん、マスコミがそのような少数派、例えば千人しか通じない言葉を使ってはいけない(いや、いけなくはないが売れない)。
そんなふうにして、考えさせる本だった。
参考 中国嫁日記
わたしがベストセラーを紹介するのは初めてかな。