サイコセラピスト探偵 波田煌子
鯨統一郎 祥伝社 2005.10
前に紹介した「なみだ研究所へようこそ」の続編である。
波田煌子(なみだきらこ)が研究所を閉めて、警視庁の特捜班に勤めることになる。
現在問題になっている追い出し部屋のような特捜班は迷宮入り事件を任される。
語り手は若い男性花山仁。他のメンバーは定年間近の久保主任、おとり捜査で左遷された前泊ナナ。エリートの高島警視。とこれだけ。波田煌子は久保主任にスカウトされたのだ。
高島が事件を説明する。全国的に有名な事件でも波田は知らない。重要な容疑者の名を上げると、波田煌子は「その人は犯人ではありません」と宣言する。
高島は波田を辞任させようとして、言葉の暴力を加えるが、波田はあっさり受け流して自説を展開する。
いったい何を根拠にしているのか。言葉の断片から犯罪者を特定する。
こうして七つの迷宮入り事件を解決してしまう。
前回と同じように、それでは解決しないだろうと思うのに、解決してしまう。そこが天才的なひらめきなのだ。
これで解決するように舞台設定をしているので納得してしまう。
2013年05月22日
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