逆に一般人には不健康になる。
雲外の峰−医師が教える最善の健康法を参照。
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2013年9月21日 記
主食をやめると健康になる 糖質制限食で体質が変わる!
江部康二 ダイヤモンド社 2011.11
この本は快書か怪書か
この本を図書館で予約して数ヶ月になる。題名も忘れていた。あるダイエット成功者に紹介された本である。
副題にもあるように、糖質を制限することがダイエットや糖尿病退治の基本という。カロリー制限では難しい。肉食ならいくら食べても太らないと。ここでいう主食とは、米・小麦・トウモロコシ・蕎麦・芋などのことである。
ここでいくつかの疑問が浮かぶ。
1.わたしは、「必要とするカロリーより多く摂れば太り、足りなければ痩せる」と思っている。肉食で摂りすぎたカロリーはどうなるのか。
2.俗に肉食といわれるアメリカ人の多くが太りすぎなのは説明できるか。
3.米を主食とする日本食はヘルシーといわれているが、この定説を覆せるか。
4.米はアメリカなどでダイエット食として食べられていると聞くが、それは間違いか。
5.著者本人がこれで、糖尿病を克服しダイエットに成功したというが、個別な例を一般化していないか。因果関係は確定したか。
などなど。
内容をざっと言うと、
糖質食によって血糖値が上がり、それを抑制するインスリンが大量に出る。インスリンは肥満ホルモンであり、故に糖質食によって肥満になる。
だからダイエットには糖質食を避ければよいと説く。
1.については、「肥満の原因は糖質の摂りすぎ」と繰り返して説明しているが、p59には「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と矛盾する記述がある。p184にはカロリー節約体質の人は、糖質制限に加えてカロリー制限で痩せる人もいる、と。
p127には、ある焼き肉屋の主が、いろいろ試みて糖質制限にたどりつき「何だ、カロリー制限なんて気にせずに自分の店の焼き肉を食べればいいということか」で、10キロも減量し標準体重になった、という。話は本当であろうが、誰でもこうなるといえるのか。
2.については、貧しい人が糖質食に偏ったという。しかし、前に紹介した、 ルポ貧困大国アメリカ では、むしろ貧しいが故に脂質食が多くなって、肥満児が増えたという。
どちらの説が正しいか。
なぜ糖質制限なのかについては、農耕以前は肉食系であったろうという。
チンパンジー・ゴリラ・オランウータンなど、類人猿が草食系であることを考えると、説得力に乏しいが、人類だけが例外ということもあるし、数百万年のうちに変わったとも考えられる。
糖質食は農耕が始まってからで、まだ一万年ほど。人類の身体はまだ糖質食に合っていない、というが、一万年では絶対変わらないともいえない。
昔は肉食なので寿命が短かった。現代は糖質食なったので寿命が延びた。ともいえるではないか。
3.4.については、糖質が多くNGという。
単に否定するだけでなく、誤解の原因も説明して欲しい。これでは日本食を食べていて痩せている人の説明がつかない。東南アジアは米食地帯だが、米を食べていて太っていない人は多い。説明がないとわたしなど、結論が逆になってしまう。
肉食系で太っている人の方が日本食で太っている人より多い。それも桁違いに多く感じられる(感じるだけで統計資料は持っていない)。
5.については、病院の理事長でもあり、この時点で1400以上の例があるらしい。しかし失敗例はどのくらいか。10例か1000例かで評価が変わる。ただし、本来糖尿病の治療として行ったことだ。ダイエット目的でもできるか、これは信用できない。
わたしは肉食でも食べ過ぎれば太ると思う。
本論から外れるが、
農耕以前の食べ物が本来の食べ物かどうか。本来の食物ならいいが、そうではないときはストレスを伴う。農耕によってようやく本来の食べ物を取り戻した可能性もあるのだ。
類人猿のことを考えて、農耕以前は肉食であったという話は疑ってしまう。
雑食だったが、基本は草食であったと思える。穀物は少ないので今のように糖質食を飽食することはできなかった。だから身体は少しでも栄養に余裕があれば肥満にまわして、飢餓に備えていた。
現在は穀物食になって、飢えることなく常に余裕がある。故に太りやすい。普通の人で1日なにも食べずに過ごした人は珍しいだろう。
コメントのリンクが間違っているので、ここに訂正します。
蘭嶼11 風格ある社会
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2016年10月15日 追記
10月8日にNHKで、血糖値スパイクという問題を取り上げていた。糖質食を摂ると、その後一時的に血糖値が上がる。
人によっては上がりかたが高すぎる。これを血糖値スパイクという。様々な病の原因になる。その可能性のある人は日本で1400万人ともいう。
詳しくは、血糖値スパイク http://takusen2.seesaa.net/article/442815806.html で。
主食をやめると健康になる、可能性のある人は1400万人だけだった。
私は春の検査でHbA1c(過去2ヶ月ほどの血糖値の平均からでる数値)が高いため、糖質制限の食事にしました。従来のカロリー制限食では正常値に下がるまで数年くらいはかかりそうだったのが、すでに現在正常値まで下がっています。
HbA1cが高いと合併症のリスクが格段に高くなり、場合によっては命にも関わるため、すみやかに数値を下げる必要が有ります。インスリンを使うとほぼ一生使い続けないとならなくなり(しかも効き目が次第に悪くなる)負担が倍増するので、食事療法で改善できるのが理想です。
糖尿病(高血糖)には効果があることは間違いないですが、最近はダイエット目的で糖質制限をする方が倍増しています。
糖質制限でダイエット効果を得られる人の殆どは、もともと体脂肪の多い人だと思われます。
炭水化物に含まれる糖質は、体のエネルギーに即変わります。エネルギーが足りていれば、余分は脂肪として貯蔵されます。もしエネルギーが不足すれば、貯蔵していた脂肪を燃やしてエネルギーにするのが体の仕組みです。
そのため糖質制限→体脂肪減少→ダイエット成功というわけです。
糖質制限では、炭水化物に含まれる糖質以外のもの-繊維質もたくさんとるケースが多いので、便通が良くなることもダイエットしたい方には好影響であるのも人気が出た原因でしょう。
しかし、糖質を制限しても脂肪分を取りすぎれば体脂肪はまた蓄積されるし、タンパク質を取り過ぎると積極的に運動して筋肉に変換しないと脂肪に変わってしまい意味をなしません。
糖質制限でうまく痩せたという人は、脂肪を取り過ぎず適度な運動量があり、野菜などもしっかり食べているからでしょう。
ただ、糖尿病などの食事療法ではなく、ダイエット目的だと極端な糖質制限は悪影響のほうが懸念されるので、糖質をとらないのではなく3割減らすとかカロリー制限の一環として取り入れるほうが良いと思います。
なんにしろ極端な過不足で良いことはありませんね。
わたしのまわりでも軽い程度の糖質制限療法をしている人は何人かいますが、いくらたべてもいい、と誤認している人はさすがにいませんね。この本の著者くらいのものです。
わたしの場合は、糖尿病でもなく、ダイエットが必要なほどのメタボでもないのですが、まあ将来の健康のため、少しづつ糖質制限を始めました。
どこまでやるべきかと、できるか。そしてその根拠を求めてこの本を読んでみたのですが、理論的根拠は判ったものの、その検証段階の説明に信がおけないなと感じます。
「糖質をいくら制限をしても、脂肪を摂りすぎてはダメでしょう。」という素朴な疑問に答えていないンです。
いまわたしのやっている程度は、去年と比べて二割減くらいかな。まだ一箇月もたたないので、全然変わっていません。成果が現れているのかいないのか。判然としません。
この先もずっと続けるつもりでいます。一年もしたら少し変わるか。
私の知り合いにもいません。
この本は読んでいないので、批判はできませんが、謫仙さんの言うとおりだとすると、ゴーストライターが書いたのではありませんか。医師の資料は正しくても、ゴーストライターは本を売ることを目的として、「◯◯健康法」と同じような書き方をしたとか。
それはともかく、最後の三行の意味が不明です。人類発祥以来何百万年もたっていればそれが本来の食物と言えると思いますので、どんな意味だろうと。
ゴーストライターの可能性は大いにありそうです。しかし、それでも名前を出した以上、本人が書いた責任を取らねばなりません。だからそれを論じることはしないことにします。
最後の三行、話が長くなるので説明しませんでしたが、長い進化の過程の話です。
<A href="http://takusen.seesaa.net/article/20557819.html">蘭嶼11 風格ある社会</A> に書いた話ですが、「島の規則」です。
生物は生き抜くのに有利なように進化する。
例えば、肉食動物に襲われないように、ネズミは小さくなり、象は大きくなる。これにはかなりの代償を伴う。
動物が、生存を続けるには、種としてある程度の数が必要である。そして、肉食動物が生存するためには食糧となる草食動物が、肉食動物の数に応じて必要である。
その草食動物の数を維持できない小さな島では、肉食動物は存在できない。
肉食動物のいない島では、草食動物は代償を伴う進化が不要になる。そして代償のいらない適当な大きさに戻っていく。
ネズミならば兎ほどになり、象ならば豚ほどの大きさになって、安定する。
これにたとえれば、人類史数百万年の食糧は(ストレスのある)大きな象であり、それによって生き抜いたが、農耕により手に入れた穀物食は、(ストレスがなくなり)豚ほどの大きさになって安定した本来の象の姿。つまり本来の食物の可能性がある、という意味です。
ちょっと飛躍しすぎましたけど、数百万年の歴史を根拠にされると、このことも言いたくなりました。
数年ぶり、、というご無沙汰しております。樽井です。
実は、今年の4月末から先月末まで、糖質オフダイエットとして炭水化物をカットするダイエットやってみました。
基本的にはすべての炭水化物、ごはんもパンも麺類、芋類もカットしてみました。もちろん、たまにご飯食べたりパン食べたりつきあいで食べはしましたし、ケーキなんかも食べましたが、基本的な食事からごはん・パンを抜いて、逆に肉類は増やしてみたところ、90kgから70kgまで20kg落ちました。ウエストも100から70、体脂肪も28から19まで落ちました。タニタの体重計で色々な数値を見ながらやってみましたが、効果は上々で、周囲でも触発されてやる人は多いです。
別の方のコメントにもありましたし、謫仙さんが書いておられるように、どんなダイエットをしても摂取カロリーが消費カロリーを上回れば太るわけですが、炭水化物はカロリーが非常に高いことと、炭水化物は食後その半分が糖質にまわります。そして、糖質が血糖値という形で体内で上昇すると、脂肪分その他はすぐに身体にためこまれてしまうので、食べる量が少量でも太りやすいという形になります。
そのあたりは、科学的根拠も理論もハッキリしているので、このダイエットは効果としては高いかなと思われます。特に、三日もやれば最初にすとんと数キロ落ちるので効果が出ることで続ける気になるのもダイエットの励みになります。
ただし、過ぎたるはなんとやらで、簡単だからこそやりすぎると良くないので週一くらいは好きな物食べたりしながら、目標値までいったらやめるのがよいかとも思います。
わたしは専門用語を覚えられませんが、書いてある栄養学の説明は充分納得できて信用できると思いました。
それなのにこの書き方で疑問を生じた。当然書いてあるべきことが書いてない。という疑問です。
わたしの場合は目的は健康保持なので、無理しない程度に制限しています。
1日1食は糖質なし、1食は控えめ。という程度でしょうか。
>どんなダイエットをしても摂取カロリーが消費カロリーを上回れば太るわけですが、炭水化物はカロリーが非常に高いことと、炭水化物は食後その半分が糖質にまわります。そして、糖質が血糖値という形で体内で上昇すると、脂肪分その他はすぐに身体にためこまれてしまうので、食べる量が少量でも太りやすいという形になります。
このように説明してくれれば判りやすいのですけど。
この問題に関しては、知っている人は実に詳しく、知らない人はほとんど知らないという、極端な傾向がありますね。新しい理論のせいかな。
私にはどうも信じられません。そもそも謫仙さんが本気でダイエットをしなければならない人ではないので、長い日数を、努力をして糖質制限をするとは思えません。
基本的に、砂糖のようなものを大量に食べるのはむかしはありえなかったので、これを少なくするのは合理的だとは思いますが、本当にそうかは確信が持てません。
必要がないなら、制限しなくてもいいのではないかと思います。努力事項程度の事かと思えます。
私も多少は気を付けていますよ。うちのもケーキなどを食べるのは少なくなりました。
わたしもダイエットには半信半疑です。
むかしはケーキなど甘い物を食べ過ぎるのはよくないなどと言われていましたが、砂糖ばかりでなく穀物も同じであるということに納得します。総量で判断することになりますね。だから繰り返しますが、その系統の病を持っている人には有効なのではないか。そうでない人には、ダイエットだけの目的の人には、カロリー制限をしやすいのではないか。ということです。
わたしの場合、ここ何年か、食後やネット碁の時にお茶を飲む、そのとき羊羹などを食べるようになっていましたので、それをやめました。碁会などでは気にしていません。
食事の時もバランスから少し米を食べていましたが、手間かけて米を食べることをしなくなりました。手抜きをするようになったと言えば判りやすいかな。その程度の努力です(^。^)。