2013年10月19日

超革命的中学生集団

平井和正   1971.9

 この本はわたしにとって、金字塔的なSFであった。SFの傑作といえば、この小説と「銀河乞食軍団」は欠かせなかった。
 一般的に言えば、決して名著と言えるものではない。だが、出たときはハチャハチャ小説として衝撃を受けた。この本によってハチャハチャ小説という言葉を知った。訳あってこの本は手元にない。それで長い間、もう一度読みたいと思っていたのだ。
 この春iPadを買い、iPadで本を読めることを知り、すでに購入した本は40冊を越える。春にはこの本はなかったが、最近平井和正で検索したらこの本があった。即購入である。
 ジュブナイルSFであるが、空飛ぶ円盤・宇宙人・各種の超能力・時間旅行などのSF要素がてんこ盛りだ。
 しかも登場人物に笑ってしまう。横田順弥と鏡明のコンビをはじめ、林石隆・綿引宏・田代進一郎・佐藤正明の6人の中学生と、あとで出てくる藤ケイコなど、どこかで聞いた名前ばかり。
 兇悪な平井番長とか先先代の番長小松なんて名も出てくる。

 鏡明から横田順弥への挑戦状から話が始まる。その決闘の現場で、6人が太古から地球を監視していた空飛ぶ円盤に乗る宇宙人に捕まってしまう。そして宇宙人に超人にされてしまう。それは地球人を試すためで、宇宙人はできれば兇悪な地球人が自滅することを願っていた。
 6人は超革命的中学生集団を結成し、世直しをはかるが、主人公横田順弥の思うようには行かない。強大な権力を持てば必ずと言えるほど濫用し腐敗する。問題はそれを自覚できないこと。いつの間にか目的を忘れしてまう。
 手段を私利私欲のために使わないはずなのに、トップの私利私欲のために使うようになる。暴君の誕生だ。宇宙人の目的を考えてみよ。
 その間のごたごたもハチャハチャ状態なんだ。顔をしかめる人もいよう。わたしはこんな面白い小説があるのかと思った。今読んでみるとジュブナイル小説らしく背景説明に足りないところがある。そのことを承知で読むと楽しめる。

 最後に、今なら放送禁止用語に相当する言葉がかなり出てくる。わたしは気にならないが、嫌がる人がいるかも知れない。
 当時の文庫本には横田順彌と鏡明のコンビの写真があった。知らない人のために、このふたりの様子は漫才の巨人阪神をさらに強調したようだったと言っておこう。
posted by たくせん(謫仙) at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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