2014年03月02日

黄石斎真報

秋梨惟喬   講談社   2013.11

 中華民国が建国されたが、まだ権力機構が整っていないころ、江南の田舎町「仙陽」に流れてきた林崇徳(そうとく)は、黄石斎という出版を兼ねた印刷の組織に記者として入った。そこであったいくつかの不思議な事件を記事にしようとして、捜査にも協力する。
 推理小説であるが、ご都合主義で切れが悪い。その原因は、その犯罪の一部を探偵役が行い、探偵役が真実を隠してさらに複雑にして、崇徳を利用しているからだ。この崇徳の利用のされぶりがおもしろいのだが、何となく後味が悪い。探偵役が犯人の一部なので仕方ないかな。
 厳密には推理小説とはいえないかもしれない。
 その出版社は建前で、ほとんど収入がない。裏社会に生き、事件を解決するふりをして、お宝をかすめ取っていく知能犯ぞろい。主人公の崇徳は裏のことを十分に知らないため、利用されてばかり。

 清末に実在した点石斎画報という新聞の中の怪事件を下敷きにしている。一般的にはお勧めとは言いがたいのだが、わたしはおもしろいと思う。
posted by たくせん(謫仙) at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック