2014年04月26日

長江落日賦

田中芳樹   徳間書店   1992.5

 中・短編集である。
黒竜の城
天山の舞姫
長安妖月記
白日、斜めなり
長江落日賦

 長江落日賦
 時代は南北朝の梁の武帝(在位502〜 549)の時である。
 奔流 では武帝の全盛時代を中心に書いているが、ここでは末期の混乱の時代を書いている。
 一族を殺され魏から梁に亡命した侯景が、反乱を起こす。
 宝剣を託された子鵬が侯景を倒すが、すでに梁の命運はつきていたといえよう。
 登場人物も知らない人ばかりで、背景がつかみにくいが、詳しく説明している。

 その他の短編はファンタジーだ。
 不老不死の妖女・超常の力を持つフェルガナの舞姫・老境にあって人格が一変した李世民・魏から蜀に亡命した夏侯覇など

 田中芳樹は、表はこうでも実は……、といった話が多い。
 たとえば、名軍師諸葛孔明は、実は軍事的には無能だった、とか。赤壁の戦いで、敗北したとされる魏は戦死した将は一人もいないとか。
 または、今まで日本では知られていない人物とか。
 そんな田中芳樹を象徴するような本だった。
posted by たくせん(謫仙) at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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