2014年05月29日

人類が絶滅する6のシナリオ

人類が絶滅する6のシナリオ
   もはや空想ではない終焉の科学
フレッド・グテル   河出書房新社   2013.9

 人類の成功や繁栄によって、どうなっているか。その成功や繁栄を覆す可能性のある事柄を6題取り上げて、詳しく解説している。なにより重要なのは実際に起こりえるということだ。決してとんでも本ではない。
 目次を見るとある程度推察できるが、そこに書かれた内容はわたしの予想を遙かに上回り、しかも極論とは思えず、その可能性がかなり高いことを冷静に考察している。

第1章 世界を滅ぼすスーパーウイルス
 エボラウイルスや鳥インフルエンザなど記憶に新しいが、新しい致死性のウイルスがいつ発生してもおかしくない。そして、それのワクチンを作るまで長い時間がかかる。それまでに被害は広まってしまう。

第2章 繰り返される大量絶滅
 地球の生命体では既に四回または五回の大量絶滅があった。流星の突入、火山の爆発などによる気候の大変動。今は次の大変動の入り口にいるかも知れないのだ。

第3章 突然起こり得る気候変動
 いま北極海の氷がなくなることが言われているが、これは温暖化を加速し、同じようにグリーンランドの氷も解けだしている。そしてグリーンランドの氷が解けると海面が6〜7メートル上昇する。その頃には南極の氷も解ける可能性がある。そうなると、海面が80メートル高くなる。当然あちこちに影響を及ぼす。

第4章 生態系の危うい均衡
 よく言われるが、健全に動いている飛行機・船・機械など、ねじ一本欠けても何ともない。二本欠けても何ともない。そうして抜いているうちに、あるとき一本を抜くと全体が崩壊する。使用不能になる。
 いま絶滅危惧種と言われる生物がいる。生態系の均衡が崩れそうだ。今はそれですんでいるが、ある種が滅ぶのが最後の一本のねじを抜いたことになり、気がついたときは、世界が滅んでいることになる。

第5章 迫りくるバイオテロリズム
 ゲノム解析が進んでいる。当然致死性の細菌やウィルスの解析も進んでいる。その中のどのゲノムが致死性なのか。この情報が一般化されれば、普通のウイルスを致死性のウィルスに変えることは易しいのだ。テロリストの手に渡ることもあるし、一般人が知らずに撒くこともあるだろう。今では普通のウイルスが、簡単に手に入るのだ。

第6章 暴走するコンピューター
 多くが自動化し、いつか暴走する可能性は高い。大停電などこれに近い。
 特にこの章に多くのページを費やして、細かに実際の事故の様子などを解説している。 今でも情報問題で揺れているが、マルウェアのソフトがあるとき暴発する危険性がある。 これで人類が自滅する可能性も高いのだ。
「スタックスネット」というマルウェアがあった。闇雲に感染するのではなく、目標を持って感染していく。感染していく足跡は自動的に消してしまう。そうしていつか、ネットにつながっていないコンピユータに感染して破壊する。実際にイランの遠心分離機を破壊した。

   …………………………………………

 わたしなら「第2章 繰り返される大量絶滅」は除く。数千万年単位のできことであり、まもなくといっても可能性は低いからだ。
 そして新たに核暴走を加えたい。核兵器の開発がその始まりである。まだ一世紀もたっていないのに、核暴走の害はかなりの大きさである。中国の軍事膨張路線も核暴走の可能性を高めている。すでに中国はチキンレースを始めていると思われる。
 あくまで可能性の問題であり、そのことを人類が自覚して対処していけば、防げるかも知れない。
posted by たくせん(謫仙) at 13:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
謫仙さん、お久しぶりです。いろいろと事情があって、ネットから遠離っていました。
いきなり目には入ったのが、この話。
重要度とか、可能性とか、基準はいろいろあると思いますが、疑問に思ったことがありました。
絶滅とは、人類が滅んでしまうことを指すのか、数十億の人が死んで半減すると言うことかで、判断に迷います。たとえば、「暴走するコンピューター」で、多くの人が死んでも、絶滅は考えにくい。
まあ半数以上が死ぬと言う意味なら同感なんですが、これで文字通り絶滅してしまうかなあ、という疑いが消えません。
半減でも、と言う意味ならば、核の暴走とか食料の不作が、可能性が高そうです。
実際にはいくつかが同時に襲ってくると思われます。
食料が不足した国が核兵器で恐喝して食料を強奪する。などは今でも起こっていますから。
Posted by mino at 2014年05月30日 20:21
minoさん
戦争で全滅とは四割〜五割戦死して、戦力が機能しなくなった状態を指すそうですから、ここで言う絶滅もそれに近いでしょうね。
もっとも、本来は文字通り一人もいなくなってしまう状態をさし、それに準ずる状況もさす、という意味だと思います。
>食料が不足した国が核兵器で恐喝して食料を強奪する。
は現実の問題。もちろん銀行強盗のような直接なやり方ではなく、「ちょっと強引すぎるよ」という形を変えた略奪ですね。そんなことが核の暴走のきっかけになる可能性は低くないでしょう。
「スタックスネット」に関してはウィキリークスが詳しい。
こういう話を読み出すと、いま生きているのが不思議なくらいです。
Posted by 謫仙 at 2014年05月31日 07:55
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/398193265
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック