2014年09月06日

なにを食べたらいいの?

安部 司   新潮社   2009.1
 あらかじめ断っておく。
 わたしはこの本の内容を全面的に信用しているわけではない。特に食品添加物には、2信8疑くらいだ。だが100パーセントの否定はしない。
 この本ではないが、某パンメーカーのパンが黴ない、とメーカーを攻撃している本もある。「かびないのは、衛生管理が行き届いているから」、がわたしの結論。家庭で焼いたパンが黴やすいのは台所が不衛生だから。
 黴ないより、まだ見えないわずかの黴の方が危険ということもある。だが大量の食品添加物は問題ないだろうか。
 そんなことを考える参考になればと思って、紹介する。

     naniotabetala.jpg
 多発する食の偽装と避けて通れない添加物の話である。
 著者は食品添加物のプロである。
 食品添加物は1500種くらいあり、加工食品(コンビニ弁当のような)を食べていると、添加物を500種ほど食べているという。
 自分の娘の三回目の誕生日に、自分が開発した肉団子をおいしそうに食べていた。くず肉を添加物まみれにした肉団子である。それをみて翌日会社に辞表を提出したという。

 レモン100個分のビタミンCが入っている。

 防腐剤がたっぷり入っている。


 この2行はほとんど同じ意味なのだが、全くイメージが異なる。偽装と言ってもこのような話だ。複雑になると意味が判らない。
 安息香酸ナトリウム、これは保存料だが、ビタミンCと混じると、ベンゼンになる。猛毒であって、殺虫剤に使われる。
 こんなふうに1種類だけではプラスの面が大きい添加物も、500種類も摂っていると、どのようなマイナスがあるか知れたものではない。

 インスタントラーメンの袋を見ると添加物の一覧が載っている。なんと多いこと。
 しかも麺類なのに油が多い。100グラム中に22グラム、これを添加物のおかげで、子供が間食でおいしく食べているのだ。
 糖分も多量に摂っている。甘すぎて飲めないほど濃いのに「なんとか酸」を入れて清涼飲料水にする。
 もちろん前に書いた、グルタミン酸ナトリウム(味の素など)なども大量に使われている。
 こうして子供ばかりでなく、大人も味覚が麻痺していく。
 100キロの肉で160キロのハム・ソーセージができるのはなぜ。
 わたしがもう一つびっくりしたのが、タンパク加水分解物、これで安い醤油ができる。
 台所に行って醤油を見てみたら、原材料は大豆・小麦・食塩だけだった。添加物なしだ。

 1500もある添加物の名は覚えなくてもいい。だが常識外れには疑問を持つべき。
 一日たってもいたまない食品は…、自然の作物のはずが全部同じ形同じ色をしているのはなぜ…。

 そうなった原因は消費者にもある。
 安くする。簡単に作れる。便利になる。美しくなる。「オイシク」する。
 これらの要素を追求した結果なのだ。

 いま中国産食品の毒性が取り上げられることが多いが、日本のにんじんを見たある中国人の話。
「きれいすぎる。どれだけ農薬と化学肥料を使えばこんなに色も形も重さも揃うのだろうか。いくら日本産でも不気味だから要らない」(選別しているのが主な原因ではないか)
 また東南アジアの食品工場での話。日本向け食品は薬品まみれで手が荒れるのでいやがる。その添加物はコンクリートに穴を開ける(本当かなあ、一番疑問に思ったところ。もっとも、水もコンクリートに穴を開けるので、この添加物とは水?、まさか)。中国向けは塩だけなので安心だ。
 東南アジアでは、現地の人は日本向けの食品は気持悪がって食べないという(そんな例がたまたまあったのか、全食品なのか。初耳である)。
 皮肉な話だ。

 ではどうしたらいいのか。添加物をなくすことは不可能でも少なくすることはできる。少なくすると麻痺した味覚が回復してくると言う。

1 イメージで選んでもいい。不気味なのは買わない。
2 裏ラベルを見る。使用添加物の一覧がある。(一括表示もある)
3 台所にないものは添加物。
   意味の判らない名前など。
4 顔を知らない他人が作った物を疑う。
   今ではほとんどの食品が、顔を知らない他人が作っている。一流レストランでさえ、作っている人の顔は知らない。疑えと言われても…。
5 自分が作った場合と商品を比べてみる。
   きれいすぎるのは…。
6 言葉遊びに気をつける。
   合成着色料は使用していない。→合成でない着色料は使っている。
   ビタミンCがレモン100個分。→防腐剤たっぷり。
7 素朴な疑問を抱く。
   いたまないのはなぜ。
   形が整っているのはなぜ。(流通のコスト減、整形、模造品など)
 これでは抽象的で判りにくいが、とにかく少しづつ減らすようにしよう。

 添加物にもメリット・デメリットの両面がある。メリットをたくさん求めると、自動的にデメリットもたくさん受けることになる。
 実際問題として、仕事のこともあり(時間の問題など)、現代の生活では添加物をまったく摂らないということは難しい。無理せず自分のできる範囲で、摂らないように努力したい。

 著者は退職以来毎年150回ほど添加物の講演をしているという。持って行った添加物で、魔法のように飲料や調味料を作ってしまうと、みな不気味がるという。
 だから普通の人は常識はある。ただ子供の頃から買うばかりなので、食品に対する知識がないのが主な原因ではないのか。この教育が大切だ。

 最近では放射能問題も加わったので、さらに複雑になっている。
 川上村のレタスの話など聞くと、日本もまだまだ捨てた物ではないと思う。

 このような本は、自説を強調するあまり、極端な特殊な例を持ち出して、普遍的な問題のごとく言うことがある。
★日本全体で起こっているのか。
★一部でこういうことがあった。全体でも起こりえる可能性があるのか。
★一部だけの問題なのか。
★問題になり得る量なのか。参考 味の素は
 読むときは、この区別と問題の大きさも考えて読まねばならない。
 そのことを承知の上で、対処することが必要となる。味覚が麻痺していることは気づきにくいのだ。
posted by たくせん(謫仙) at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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