2015年04月23日

日本語の科学が世界を変える

松尾義之   筑摩書房   2015.1

 判りにくい題名だが、「日本語で科学を考える」であって、「日本語を科学的に解明する」の意味ではない。
 日本の科学の質の高さは、日本の科学者は日本語で科学を考えられるからではないか、という。
 諸外国では母語とは異なる英語で科学を学び、英語で科学的思考をする。
 欧州でさえ、その傾向があるという。
ところが日本では、自国の言葉で書かれた用語・教科書で大学教育が受けられる。これは希有なことだという。
 西周(にし あまね)や福沢諭吉などが英語の科学用語を和製漢語に変えてきたために、高度な科学的思考が可能な言語となった。
 世界中が英語で考えるため面白い発想が浮かびにくくなった。しかし、日本では日本語で考えられるので、英語と日本語の発想がぶつかり、英語だけにはない発想が生まれる。多くの日本人科学者の画期的な発想の基礎になっている。

 その発想が世界を変える。

ノーベル賞受賞者は欧米以外はほとんど日本人だが、貰えなかった人でもノーベル賞級の科学者が大勢いる。

 ガラパゴス化する可能性もあるが、積極的に良い面を取り上げたのが本書だ。
 このことを敷衍すると、現在のカタカナ言葉の氾濫は日本の科学にマイナスに働くことになる。そのことに言及していないが、どう考えてているのだろう。
posted by たくせん(謫仙) at 14:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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