2015年05月14日

かりそめエマノン

梶尾真治   徳間書店   2001.10
 わたしにはこのシリーズの三冊目。

 エマノンに拓麻という双子の兄がいた。
 幼くして孤児となった拓麻は子のない夫婦に引き取られ、それなりの人生を送ることになる。
 拓麻には、異常な能力があった。それ故その人生において、成功も失敗もするが、常に幼いときの手のぬくもりの記憶があった。
 自分は何のために生まれたのか。そして事件がおこり、エマノンが危機に陥る。そのエマノンを助けたとき、それが自分が生存していた理由と悟る。その危機は宇宙生命体との攻防戦。考えにくい危機であり、それで三十数億年の記憶の中でたったひとりの兄を登場させてバランスをとったのか。
 その後、拓麻は隠棲し、何十年も経った108歳のとき、死を迎えようとしていたところへ、エマノンがお見舞いに来る。その手を握った拓麻は100年前の手のぬくもりの記憶はやはりエマノンだったと知る。
 エマノンの三十数億年の記憶の中でたったひとりの兄の物語。

 三十数億年の記憶を持つといっても、単細胞の時代は記憶というものがあるのか。十億年前に多細胞生物になってからと思われるが、ある種の遺伝は記憶に近いが、それでも記憶と言えるのか。
 実際問題として、ほ乳類になってからの記憶なら、ある程度理解できる。その頃「きょうだい」がいなかったというのは不思議(^。^)

 さて、いつも少女というエマノン。大人になり、女の子を産んで、その子に記憶を移してたちまちに記憶を失う。女の子は成長し、少女となって旅を続ける。その繰り返しとなれば、肉体的には超短命の家系といえる。たったひとりの兄の死を看取ったエマノンは、兄と別れてから何代目かのエマノンで、同一人物ではない。
posted by たくせん(謫仙) at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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