2015年06月24日

舟を編む

三浦しをん   光文社   2015.3

 玄武書房の馬締光也が、新しく刊行する国語辞典「大渡海」の編集メンバーとして辞書編集部にスカウトされる。そして他の編集者たちと一緒に辞書つくりに没頭する。
 採用した言葉に抜けがあり、大勢が長期会社に泊まり込みで確認するあたりが山か。仕事に対する迫力が伝わる。
 15年かけて、ついに刊行に至るが、それが改訂作業の始まりで、辞書には完成がない。
 どんな人でもよく知ってみると個性的ではある。それにしても登場人物はかなり個性的。だから小説として面白いンだが。
 15年なので、ときどき時間がとんでしまうので、気をつけていないとどのくらい経ったのか判らなくなる。特に馬締光也があっという間に結婚してしまうあたり、もう少し説明して欲しい。

 この中で、各国は国語辞典の作成に国を挙げて取り組んでいるのに、日本では個人ないし出版社が、国の援助なしに取り組み刊行している、という話に感銘を受けた。
 そのため、国の圧力を受けて歪むことなく、自由に刊行できた。
 そういえば、他の芸術でも、日本では多くは政府の弾圧に抵抗する形で、民間で発達しているのが多い。

 もとは雑誌に連載されたが、2011年9月に単行本として刊行され、2012年本屋大賞を受賞している。その文庫版だ。
 のちに映画化されて有名で、今更わたしが紹介するまでもないのだが、お勧め本として紹介させて頂く。
posted by たくせん(謫仙) at 08:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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