2015年07月01日

楊家将演義読本

楊家将演義読本
岡崎由美・松浦智子 編集   勉誠出版   2015.6
     2015.7.1.jpg

 先に紹介した「楊家将演義」の解説書である。この小説の解説ばかりでなく、その虚実や異本・異伝・劇など、さらにテレビドラマまで詳しい。また楊家将ばかりでなく、中国伝統文化をも幅広く解説している。
 七八割が虚構の楊家将であるが、幾分は史実もある。ところが、伝説が先に立ってしまい、史実が判っても、直しきれないあたりはおもしろい。だから演義なんだ。
 たとえば八王のことは前に書いたが、それ以外では、
 楊業など、位は低かった。しかも降将なので、いつも最前線に行かされていた。ほとんど辺境にいたので、都の大邸宅はなかったらしい。
 太宗は五台山の参詣はしておらず、当然、幽州で遼軍に囲まれたことはない。だから楊業たちが助けに行ったことはなく、長男楊淵平・次男楊延定・三男楊延輝がその戦いで、戦死するはずがない。実際には楊業より後に亡くなった。
 楊業の跡を継いだ六郎楊延昭(えんしょう)は長男だと思われる。先に六男説があったので、変えられなかったのだろうとか。
 潘仁美は悪役だが、史実の潘美は太祖の時からの功臣だった。
 よく幽州が五台山の近くで出てくるが、幽州とは今の北京(あたり)であり、直線距離で260キロほども離れている。距離感がかなりおかしい。楊家将ばかりでなく他の話でも、このように北方の地理は不正確なのに、南方は正確。おそらく作者は南方の人であろうとか。

 わたしが、「楊家将演義」を読んで書こうとしたことなど、この本に遙かに詳しく全部書いてある。書いたら恥をかくところだった。
posted by たくせん(謫仙) at 09:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
7/17に楊家将演義の刊行を記念したトークイベントが行われます。
岡崎先生と秋梨先生が出演されます。詳細は下記のアドレスから御覧ください。

http://bensei.jp/?main_page=wordpress&p=7444

参加されるようでしたら、私がまとめて手配いたしますのでお知らせください。
Posted by 八雲慶次郎 at 2015年07月08日 11:46
八雲さん
連絡ありがとうございます。参加しますのでよろしく。
当日は仕事ですが、早く切り上げて行きます。
いつもの皆さんと会えるのかな。楽しみです。
Posted by 謫仙 at 2015年07月08日 20:17
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/421594843
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック