2015年12月10日

尾瀬4 至仏山

尾瀬4 至仏山
転載にあたり大幅に加筆し、写真も追加し入れ替えた。

 三日目
 天気がよい。荷物の一部を宿に預け、至仏山に登ることにする。初めは長い緩やかな登り道であった。

95-8-64.jpg

95-8-65.jpg
 尾根を巻くような感じで登る。

95-8-66.jpg
 至仏山は“花の百名山”である。花が多かった。

95-8-67.jpg
 途中の岩山。至仏山の岩は崩れやすい。当時、尾瀬ヶ原からの直登は禁じられていて、地図には道がない。今はどうなのだろう。

95-8-70.jpg
 山容が見えてきた。

95-8-78.jpg
 山頂が近づく。
 至仏山山域に入ると道も当然急になるが、同時にあちこちに高山の花を見掛ける。翠微(頂きに近い中腹)になると、石が多く、草も疎らになる。このあたりに、この山独特の高山植物が多い。

 桔梗三種、名を同定できない。
95-8-68.jpg

95-8-69.jpg

95-8-71.jpg
 一番上は、わたしは「チシマギキョウ」に近いかなと思いました。
 「イワギキョウ」にも似ています。わたしの図鑑では「イワギキョウは少し上向きに咲く…」とあって、槍ヶ岳で見たときはそれでイワギキョウと判定したのですが、これは下向きなので?でした。
 花としては「ホウオウシャジン」のようなのですが、葉の形が違います。
 二番目は、「ヒメシャジン」や「ミヤマシャジン」や「イワシャジン」に似ているような気がします。
しかし、断定するにはどこか違う。しかもイワシャジンは葉の形が違います。
 南アルプスに鳳凰三山といわれる山があります。「ホウオウシャジン」はそのあたりの固有種のようです。「イワシャジン」も同じく、そのあたりの固有種でしょう。だからといって至仏山にはないと断定できません。
 花弁に毛がないのがイワギキョウとありますが、山で見るときは、毛があるかないかなんて見ていませんし、写真では判らず、図鑑に書いてあっても後の祭り。
 その他にも、そのような説明がよくあって、ウーンとうなってしまいます。植物学者はそのようなことを丹念に調べるのでしょう。わたしなどは専ら綺麗な花や珍しい花を楽しむだけなので、知っている人がいて説明してくれると助かります。
 図鑑で見たら「ツリガネニンジン」も桔梗の仲間でした。そういえば沢桔梗も、他の桔梗とは似ても似つかぬ形をしています。
 とにかく山の植物は変種が多く、なかなか同定できません。それが楽しみといえばいえるのですが。
 図鑑にはこんなことも書いてあります。「チシマギキョウ」は先が開くのですが、「八ヶ岳のチシマは花が開かない」
 色違いの「ホタルブクロ」のようです。
 こんな風に例外が多いので、違っているようで、当たっているかも。
 参考(日本の高山植物−山と渓谷社)


95-8-72.jpg
 頂上付近。見るからに崩れやすそう。

95-8-73.jpg
 ようやく頂上だ。
 頂上では尾瀬ヶ原全体を見渡せる。かなり霞んでいた。

95-8-75.jpg  1000ピクセル
尾瀬ヶ原全景に近い。

95-8-76.jpg
 燧ヶ岳もかすんでいる。

95-8-77.jpg
 高嶺撫子(タカネナデシコ)
(2015.12)追記 先日、某所で「なでしこジャパン」のなでしこを知らない人が多い、という話が出た。言われてみればわたしも見た記憶がない。大和撫子なら少し知っている(?)。撫子とはふつう河原撫子(カワラナデシコ)を指す。この高嶺撫子によく似ている。

 下るころ、空模様がおかしくなってきた。登りはじめの緩やかな坂道にかかるころ、雷が鳴り始める。あっという間に暗くなり雷の音が近づく。間違いなく雨になる。必死で急いでいると、そこで休んでいる人がいた。
「雨になりますよ」
「雨具を持ってますから」
 そんな会話も雷の音に追われて、一瞬に終える。
 ようやく駐車場に着くと、ポツリと雨が来た。休憩所に飛び込むと同時に豪雨となる。ザックを下ろし、やれやれと振り向くと、トタン屋根の軒先は、裏見の瀧のようになっていた。トタン屋根を打つ雨音は、三条の瀧を思わせるほど。数秒の差で濡れ鼠にならずに済んだ。さっきの人はカッパを着ることができたのだろうか。間に合ったからいいようなものの、わたしも雨具を出すべきだった。
雨がひとしきり降って止むと、日ざしが強い。
 帰りのバスはマイクロバスで戸倉まで。東武バスに乗り換えて沼田まで。
posted by たくせん(謫仙) at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 登山・ハイキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
たくせんさん こんにちは(^^♪

12月、暖かですね〜年末まで暖かいと動きやすくて事が捗ってたすかります!
しかしガクンと寒くなるのでしょうね〜。
暖かさのせいで野菜の生育が良いようで大根の大きいこと、ゴロンゴロンと売り場で所狭しと横たわっている笑ってしまいます〜。

尾瀬の風景、懐かしく拝見しました。
フイルムカメラの自然な色調が優しいたくせんさんの句とマッチしていいなぁ〜と、しみじみしちゃいます。味わい深く素敵です。

この、キキョウですね、視界の開けたハイマツの付近とかに生息していますよね?
そう、名前、ハッキリしませんよね、本当に健気に下向きに紫色って好きなんで気になる花ですが・・・。
Posted by 千春 at 2015年12月16日 15:20
千春さん
大根て温かいと大きく育つのですか、寒いときの方がおいしいイメージがします。
尾瀬の写真をHPに載せたころは全部で10メガしかなかった。そのため写真も小さく最小限の枚数でした。ブログになってからはいくらでも大きく載せられます。(^_^)(^_^)
で、転載にあたり写真を大きくしたりして入れ直し、今回新しく追加したりしました。
花の写真で名を同定するのは難しく、お手上げです。逆にハイマツはいかに背が低いか、そんなことをを考えてしまいます。
キキョウは、高山では目立ち、けっこう印象に残りますね。
このときは遠くは全体的にかすみがち、それでも思い出になる登山でした。
Posted by 謫仙 at 2015年12月16日 19:52
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック