2016年02月23日

韓非子

韓非子(かんぴし)
翻訳解説 安納 務   文藝春秋   1997.5

 この本は20年近く前に出版されていたが、今まで知らなかった。それよりかなり前に別の「韓非子」を読んでいたが、それはダイジェストに近い。
 安納務は実に判りやすく「韓非子」を解説している。
 では韓非子とはなにか。中華の歴史上に「戦国時代」といわれた時代があった。それを統一したのが、秦の始皇帝である。この始皇帝が統治の教科書にしたといわれているのが韓非子である。
 戦国乱世の君主論だ。ではその著者はといえば詳しい経歴は判っていない。
 韓の王族であるといわれている。荀子に学んだといわれている。そして亡くなったのは紀元前232年頃である。始皇帝に招かれて秦に行き、そこで自殺したという。乱世であり、事実上殺されたと思われる。韓は姫姓なので、本名は姫非であろう。
 そこに書かれた内容は、乱世の君主の守るべきやるべきことを冷徹に説いている。それを守れなければ一気に国が滅んでしまう。結局秦以外はすべて滅んだ。
 もっとも国家滅亡といっても、君主一族が滅んだだけである。庶民にとっては、非道の君主一族滅亡は望ましい。政権交代のようなものだ。だからこの本は戦国乱世の君主のための君主論だ。
 君主の敵は息子であり、妻である。という話も乱世ゆえの話だ。
 息子は兄弟が多いので、次の君主に選ばれないかもしれない。だから力が強いときに親の王を殺して自分が王になろうとする。
 妻は自分が寵愛されているうちに、息子が太子であるうちに王を殺そうとする。王の寵愛が他に移っては自分の命が危ういのだ。
 西暦紀元前に築かれた中華帝国は、建前は儒教国家であり、特に十世紀中庸に出現した宋王朝以降、形式的には紛れもない「儒教国家」であった。しかし、そこに存在した社会は、帝国が開かれるかなり以前から、一貫した道教社会である。儒教社会の建前に迷わされず真実を見抜け。
 前に紹介した  矛盾  臣もまた臣の信を愛む  白馬は馬に非ず  など、その見本であった。

 詳しい解説で、中華古代史(始皇帝以前)の復習をしてしまった。
 読み終えて、新しく記憶に入ったことはあまりない。
posted by たくせん(謫仙) at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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