2016年05月28日

海から何かがやってくる

海から何かがやってくる
薬師寺涼子の怪奇事件簿
田中芳樹   祥伝社   2015.9

 事件は南のリゾート予定地で起こる。
 飛行艇が海面50メートル辺りまで上昇したとき、海中からの水鉄砲のような水流で墜落。また150トン級の巡視船が水鉄砲のような水流で破壊される。こんなことが出来る怪物が相手にしては、結末はあっけない。巨大なナメクジ程度で、その退治の仕方も少し矛盾がある。ガムテープを投げるとか、ぐるぐる巻きにするとか。それから液体水素で凍らせるのは本当に出来るのか。もちろん凍らせるのは出来るのだが、ガソリンなみに発火しやすいはず。爆発しそうだ。
 地底の洞窟なのだが、そこから怪物はどうやって海に出入りしているのか。海の中なら海水が入ってくる。
 巡視船を破壊する水鉄砲のことも解明されず終わる。

 ストーリーはいつものごとく、中編小説並みで複雑ではない。
 また、いつもながら政権批判が痛烈で面白い。これがなかったら薬師寺涼子の魅力は半減する。今回はその量が多い。しかも核心を付いていて笑うに笑えなかったりするほど。だから現在の政治状況を理解していない方はおもしろくないかもしれない。
 今回は設定に疑問が多いが、だから怪奇事件だろうな。
posted by たくせん(謫仙) at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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