2007年06月04日

連城訣

   著 金庸    訳 阿部敦子   徳間書店
 初めは「厳窟王」にそっくりで、アレッと思った。
 悲運を極めて終結に向かうが、このラストシーンは、思わず涙がこぼれるほど感動的である。
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参考  連城訣のあらすじ
 なお、江湖の英雄などといわれ、肩で風を切っている者たちの、くだらなさに唖然としてしまうのはいつものこと。

 タン死(唐詩)剣法という、流派がある。師と師の娘と少年の弟子1人の計3人で農作業をしながら流派を守っているのであるが、その目的が、師の師の秘伝書を手に入れるため。
 師の師を、師たち兄弟弟子3人で、秘伝書ほしさに殺してしまうという。とんでもない奴ら。
 その三人がそれぞれの方法で秘伝書の入手をたくらむ。その秘伝書には、武芸書のふりをした、財宝のありかを示す。
 田舎で娘と少年と三人で農作業をしているのもそうだが、そんなに長い年月苦労をして、老人になってから手に入れても、それでどうするのかといつも思う。ここでは財宝である。
 純朴な少年荻雲(てきうん)が濡れ衣を着せられ、愛する者を奪われ、捕らわれる。
 脱獄してしてからは孤立無援のまま運命を切り開くのだが、巌窟王とは異なり、復讐はしない。
 名門師弟まで善人面をしながら、裏では少年たちを陥れようとする。その代表がなんと師とは。
 荻雲は絶望してしまうが、その荻雲を理解する女性がいた。
posted by たくせん(謫仙) at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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