初めは「厳窟王」にそっくりで、アレッと思った。
悲運を極めて終結に向かうが、このラストシーンは、思わず涙がこぼれるほど感動的である。
参考 連城訣のあらすじ
なお、江湖の英雄などといわれ、肩で風を切っている者たちの、くだらなさに唖然としてしまうのはいつものこと。
タン死(唐詩)剣法という、流派がある。師と師の娘と少年の弟子1人の計3人で農作業をしながら流派を守っているのであるが、その目的が、師の師の秘伝書を手に入れるため。
師の師を、師たち兄弟弟子3人で、秘伝書ほしさに殺してしまうという。とんでもない奴ら。
その三人がそれぞれの方法で秘伝書の入手をたくらむ。その秘伝書には、武芸書のふりをした、財宝のありかを示す。
田舎で娘と少年と三人で農作業をしているのもそうだが、そんなに長い年月苦労をして、老人になってから手に入れても、それでどうするのかといつも思う。ここでは財宝である。
純朴な少年荻雲(てきうん)が濡れ衣を着せられ、愛する者を奪われ、捕らわれる。
脱獄してしてからは孤立無援のまま運命を切り開くのだが、巌窟王とは異なり、復讐はしない。
名門師弟まで善人面をしながら、裏では少年たちを陥れようとする。その代表がなんと師とは。
荻雲は絶望してしまうが、その荻雲を理解する女性がいた。