2016年06月12日

恋せよ魂魄

恋せよ魂魄(こんぱく) 僕僕先生
仁木英之   新潮社   2015.8
     koiseyokonpaku.jpg
 ほのぼのムードのこのシリーズ、ここへきて急旋回。
 王弁が成長してきた。薬師として、技能ばかりでなく精神的にも一人前になってきた。
 今まで僕僕の従者であった王弁が、成長して僕僕の同行者と思われるようになったのだ。王弁が人生の目的を見つけたといえるだろう。
 この後は故郷に帰って名医となるか、仙人に近づくのか。

 長安に向かう旅の途中で、不治の病の少女をどう治療するかで悩む。今までは僕僕先生中心の仕事だったのだが、王弁の仕事となる。さらに戦いに加わったりする。おそらく、そう成長したので、吐蕃から長安へとなったのであろう。
 吐蕃のデラクの存在感が大きい。王弁もかなり救われている。
 長安ではついに朝廷の影の組織胡蝶の頭目が出てきた。胡蝶から逃げた劉欣は胡蝶の頭目と戦う。
 劉欣は王弁たちと旅を続けるうちに、非情の暗殺者から、人間味が出てきて親しめるようになっていた。たが今回は本性を発揮する。それも育ての親を救うために。
 終わる頃にばたばたと、劉欣や劉欣を愛した育ての父母などが死ぬのがつらい。
 さらに驚くのは、僕僕先生が力を失ってしまうことだ。最後に王弁に言う。
「この旅は、もうキミのものになりつつある。共に行こう」
 そう言った。力強いが、どこか悲しげな表情だった。

posted by たくせん(謫仙) at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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