前に紹介した「懸賞打ち」での旗謙介と鮫島の対局である。
白が謙介、黒が鮫島。
盤の右側だけしか出ていないが、10目近く黒がリードしているという。
今黒が右下▲と出たところ。これでワタリと読んだ。
これを見た瞬間、謙介の頬が紅潮した。そして逆転の手筋を放ったのだ。プロの修業をした人は一瞬で読むという。
わたしの棋力ではとても読めないが、これを実戦でも正しく読める人はどれくらいの棋力の持ち主だろうか。問題として提出されれば、アマでも高段者なら読めそうな気がする。
黒7は白4のところ
白2から白12までで逆転し、鮫島は投了する。途中黒3を黒4にすると、白8のキリから11にはねてコウになる。
このように、ただ筆が立つだけでは絶対に書けないような場面が幾つか。
参考懸賞打ち 賭碁放浪記