2016年08月24日

桜小町

ひやめし冬馬四季綴 桜小町
米村圭伍   徳間書店   2010.2

 遠江国海棠藩の下士の「冷や飯食い」一色冬馬22歳の婚活騒動。
 一色家は先代は中士であった。訳あって下士に落とされる。
 当主の弟つまり冷や飯食いでは一生まともに暮らせない。うまく他の家に婿入りできればよいが、下士の冷や飯食いではそれも難しい。
 そんな冬馬が、二番家老の娘に恋をした。美しい高嶺の花で、もし恋が実れば、家老になれるかも、というのだが、話が進むうちに、父の降格にまつわる過去の事件も絡み、大事件になっていく。
 二番家老の二番目の娘が、美しくはないが聡明で、冬馬をリードする場面もある。意外な展開が多く、楽しめた。
 米村圭伍の作品は、いつも貧しい武家の生活ぶりが詳しい。今回の一色家は百俵取りで三代5人が暮らす生活。

「ふくら雀」という続きがある。前半はだらだらして、途中で投げ出してしまった。間を置いて、あらためて後半を読むと、少し山がある。読み終えたが人に勧めるほどではない。
posted by たくせん(謫仙) at 11:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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