2016年09月17日

女子読み「水滸伝」

女子読み「水滸伝」
秋山久生 著   岡崎由美 編集協力  2010年   三五館
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 この本は「たくせんの中国世界」に書いている、「岡崎由美先生と行く−水滸伝の舞台と世界遺産「曲阜・泰山」を訪ねる旅」の途中で岡崎由美先生からプレゼントされた本である。

 潘金蓮と張氏が感想を交えながら解説する趣向。張氏とは林冲夫人。
 水滸伝はほとんどの人物が紹介程度にちょっと出るだけなので、名前などあまり覚えていない人物の方が多い。この二人も潘金蓮は有名だが、張氏という名前は出てきたかしらという程度の出番。
 潘金蓮は悪女とされているが、読者は同情心が沸きやすいかな。不幸な生い立ちで、武大に嫁がされた。美人であったのが、かえって事件のもとになる。
 この二人のガールズトークだが、登場してすぐにあの世に行った二人の会話である。
 
1章 物語のあらすじ
 読者目線の会話形式であらすじを紹介している。読んだことのない人にも判りやすい。それでいながら内容は非常に濃いのだ。
2章 108人の好漢や重要人物の紹介。
 なんと全員イラストつき、持っている武器によって、得意技が判る。個性もアピールしている。その評価はかなり辛辣。
 タイプ分けに、イケメン・ワイルド・中間管理職・職人などは判る。しかし、空気とは。
 空気とはどんなタイプ? なぜか覚えられない人だと。
3章 「水滸伝」の成立過程や背景など。

 全体的にほとんどガールズトークなのに、必要な部分はきちんと説明しているので、内容は硬質だと言えよう。二人以外にも何人か登場する。
 例をあげよう。
 梁山泊の108人というがこれは将であって、数千人の兵がいる。これらの生活費はどうしたか。
呉用「梁山泊の資金源は主に略奪で得た金品です」
「そ、それじゃ強盗じゃない!」
 そう、梁山泊の好漢とはお尋ね者の集団なのだ。付近を通る金持ちから強盗をして生計を立てていることになる。強盗だけでは足りなくて近くの町を襲う山賊だ。町を守っているまじめな兵たちが大勢殺される。そこで生活している人には大変困った人たちなのだ。
 それだけで何千人が生活できるかどうか。だから宋江は天子の招安(しょうあん)を受けて帰順しようとする。それもリーダーの決断である。

   水滸女子の、
   水滸女子による、
   水滸女子のための
   水滸伝ガイドブック


 カバーに書かれたこの文字が、この本を表している。
posted by たくせん(謫仙) at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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