2016年10月02日

村上海賊の娘

村上海賊の娘
和田 竜   新潮社   2013.10
     2016.9.22-1.jpg
 武侠小説ばりの痛快小説であった。
 村上海賊と言えば、後に村上水軍と伝わる瀬戸内海の有力海賊である。その娘の景(きょう)の活躍ぶりである。引用すると、
 和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。折しも、武吉の娘の景は上乗りで難波へむかう。家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる。第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。

 戦国の織田信長の軍勢と、大阪にあった本願寺との戦いがあった。本願寺では兵粮が決定的に不足していた。そのため毛利に兵粮を依頼する。
 毛利は村上海賊の力を借りて、船で難波海から木津川を通って運ぼうとする。それを防ごうとする、織田方泉州侍、その一部は泉州海賊である。
 この荒くれ男の大活躍が話の中心である。
 本屋大賞を受賞した。

 さて、景(きょう)は醜女として名が高く、誰も嫁に迎えようとはしない。それが泉州では美しいと絶賛される。いったいどんな女なんだろう。これが第一の謎。
 ハーフかもしれない。西洋人(マリア像など)に慣れた人と、知らない人との差とか。となると出生の問題が生じるが、そのようには見えない。
 泉州海賊の長である眞鍋七五三兵衛(しめのひょうえ)の超人的能力がすごい。ヘビー級レスラーを遙かにしのぐ身体能力。これは第二の謎。
 銛を投げると、当たった小舟は爆発して木っ端微塵。大きな穴が開いたなら判るが、爆発する理由が判からない。書いてないが、爆弾も仕掛けてあったのか。
 敵味方ともかなり損耗したはずなのに、実際の被害は五分の一程度。中心的部隊が壊滅すると残った兵は戦闘能力を失うので、五分の一でもほぼ全滅か。
 壮大な海戦の一部を大げさにした部分も、内力(超能力のようなもの)に逃げるようなことはない。泉州侍の言うことや考え方などまさかと思うが、全体的には史実に基づいているので、小説として成り立つ。かなりの長編だが休まず読んだ。
posted by たくせん(謫仙) at 14:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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