西條奈加 講談社 2015.5
江戸時代の爛熟期、同時に幕藩体制の崩壊の芽も出る頃。
南町奉行所の同心をつとめる榊家の当主安之には溺愛する妹がいた。亡くなった父が芸者に生ませた娘で、高砂町で長唄の師匠をつとめるお蝶、高砂弁天といわれる美人。
そして、安之の妻沙十(さと)も美人で、方向音痴で薙刀の名手。
この二人の美人が小さな事件をいくつか解決していくが、その事件が、榊家の先代が亡くなった謎と関連して、陰で大きな陰謀が進行していた。
この大事件を解決するために、お蝶を守る男たちや、おっとりしていた安之とその上司の南町奉行などが、別人のような働きをする。
幕府の屋台骨を揺るがすような大事件も、なんとか表沙汰にならずに済んだ。
幕藩体制に光と影かあるように、旗本たちにも市井の人たちも光と影がある。
登場人物に個性があって魅力的で、一気に読んでしまった。
時代劇作家に一人の名手が加わったといえよう。わたしはよく“校閲ガール”のようなことを書くが、この小説は校閲ガールもほとんど手を加えるとはないだろう。だから安心して楽しめる。
謫仙大哥、コメントありがとうございます。
また、時間がある時にはブログの更新をしていきたいと思います。
本当にとても嬉しいコメントでした。
お返事書いておきます。また遊びに来てくださいね。
最近、あちこちで「お久しぶり」が多くなりました。
それどころか、止めてしまった人も多くなりましたね。
皆さん、それぞれに個性があって、興味のあるお話を書いていたのに、読めなくなったのは残念です。
今年も岡崎先生と一緒に、峨嵋山と青城山の旅に行きます。
基本的にこの旅はわたしの肌に合っているようで、今後も続ける気持ちはありますが、もう体力的に続かなくなりそうです。ではまた。