小松左京 PHP研究所 2011.1
著者は小松左京となっているが、小松左京事務所が、著書のあちこちから、テーマ別に選んで編集したものである。
小松左京の思考のダイジェストなので、魅力ある文章が多い。
言葉が難しく、わたしには理解できない文が多い。ただ小説などを読んでいたときはそのようには感じなかったので、おそらくその言葉の背景や状況が判っていれば、理解できるのではないか思う。思考過程が重要なのだ。
名言ではないので、かなり長い文もあるし、その文単独では賛同できない文もある。特に小説の場合は、その小説の特殊状況が文の意味を左右する。SFの世界が多いので、仮説だったり仮定だったりする。そのためここで紹介するかどうか迷ったほど。
SFを書くには総合的な知と常識にとらわれない思考力が必要である。間違いなく、小松左京には備わっていることを実感する。