西條奈加 光文社 2017.5

江戸時代の「我が輩は猫である」だ。
猫が多くて、通称猫町に暮らす野良猫のミスジは、憧れていた順松の後を継いで傀儡師となった。町内の猫の相談相手となる。
人間相手の事件だと、猫だけではどうにもならない。人間の傀儡を操って解決することになる。
暇で、勘がよくて、数寄心の持ち主で、猫好き。こんな人物を傀儡にして使う。
猫の世界でも、人の世界のような組織があるのが可笑しい。猫情もあれば知識もある。
小さな事件を解決していくうちに、それを通した大きな事件を解決してしまう。
話は主人公ミスジの視点で進んでいく。話があちこちに飛ぶ猫の話を、上手く誘導したりして、探偵よろしく事件を推理したり。
傀儡に選定された阿次郎は、頼りない男のようだが、江戸っ子らしく、やるときはやる人物。
これは続きが読みたくなる話だ。
今年も宜しくお願いします。
猫社会も強い者がノウノウと幅をきかせて腹立たしいですね。
ウチの隣は空き家ベランダは野良猫の昼寝場所となっていますが
ずーっと毎日寝に来ていた大人しい猫が来ていたのを見ていましたが、ある時、図々しい猫がやってきて昼寝場所を取られちゃいました。
追っ払おうにもドンと構えてビクともしません。
あの臆病猫は何処で昼寝しているのやら気になります(笑)
新年おめでとうございます。
実は、わたくしめ、新年を知りませんでした。
12月29日には、そのつもりで食料の買い出しなどしていたのですが、1月2日に友人から「おめでとう」のメールが届いて、「あっそうだ、正月だった」
この本を読んだ多くの人の感想を読んだのですが、「いつも近所を歩いている、あの猫もあんな風に寄り合いに集まっているのかしら、と思ってしまう」、というような楽しい感想が多かったンです。
新年早々楽しい小説を読みました。