2007年06月30日

うまい日本酒はどこにある?

   増田晶文  草思社  04.9.30
 わたしは、店で酒を飲むとき、がまんならないことがある。
 二三割ほどをわざわざこぼすことである。そのため猪口の下に受け皿を置いてある!

(2012.6 追記:この受け皿の酒は捨てるのではなく、飲むものだった! )
 コーヒーだって、ワインだって、こんな注ぎ方はしないぞ!!
 それがつらくて、そういう店ではビールにする。
        umaisake.jpg
 しかも、高いところでは、大きめの猪口で八百円もする。一升三千円程度の日本酒である。
 そして、ワインなどはワインクーラーに入れてあるのに、日本酒は常温のまま保管してある。
 実際は日本酒の方がワインより、温度や光に敏感に反応し劣化するのだ。
 飲むときは常温でもよい。クーラーに入れておくのは品質管理のためだ。
 店で飲むときは、できれば小瓶に入ったのがよい。

 燗については、その店の見解次第だ。適温は酒によって違う。
 わたしは冷酒専門なので燗酒はわからない。以前の酒は燗にするとアルコール臭が酷くて飲めなかった。90年ころから、日本酒の味がよくなったが、燗にすることはめったにない。

 この本に書かれたある料理店では、熱燗がおいしい酒をぬる燗にと頼まれたら、まず熱燗にしてそれからさまして出すそうだ。
 ここまで酒の味がわかる料理店主(板前など)がわたしのいく店にいるだろうか。
 わたしが行く酒屋では、あちこちの地酒を置いてある。半分は冷蔵庫である。
 そこの親父さんと相談しながら探す。そのとき多少の知識も仕入れる。
 いまでは、そんな店は少ないだろう。
 ただ酒といえば当然日本酒のことだが、いまでは日本酒といわなければ通じないこともあるようだ。
 
 さて、本書。
 酒を醸す蔵元から売る酒屋、そして飲ませる料理店などを訪ね、酒の置かれた厳しい状況と美味しい酒の行方を考える、問題は深刻ながら、うれしい本である。
 いまの日本酒は危機的状況にあるそうだ。
 現在千五百ある蔵が2010年には五百程度に減りそうだという。
 まず、酒を扱う人たちが、酒の扱い方をし知らない。
 そこへもって、上に書いたような出し方をする。
 ますますお客は日本酒から遠離ることになる。しかし健闘している人たちがいる。その様子は希望がもてる。
 本のタイトルも、予定では「日本酒が消える」だったという。
 消費者が日本酒離れを起こしているのは事実ですが、それは本当においしい日本酒を知らないからなんです。…
と考えている蔵元がいる。
 蔵元の息子が一様に酒は不味いと思っていたという。その息子たちが育ったころ七十〜八十年代は、酒といえば味付けアルコールのことだった。不味いはずだ。
 九十年代になって本物の酒ができてきたが、不味いと言っていた息子たちが跡を継ぎ、おいしい酒に取り組むようになった結果という。
 悪酒の代名詞だった大メーカーが、じつは技術革新し、その技術が中小蔵に普及してうまい酒ができるようになっている。
 そこで次のような話がある。
「美味しんぼ」というグルメ漫画がある。ここで口をきわめて、純米酒以外の酒をののしったことがある。わたしもその巻を読んで、うまい日本酒があることを知ったのだった。それから日本酒を飲むようになった。
 ところが現在の「アルコール添加酒」は管理さえよければ、うまい酒もあるのだ。「美味しんぼ」に抗議した蔵元がある。
 数年前、アメリカ女性の提唱で、木桶で酒を造る蔵元が出てきた。たが、ホーロー桶より、美味しい酒ができるかと言えば、疑問なのだ。

 衝撃的なことも書いてある。98年から5年間で、廃業または倒産した酒屋が24,039軒、失踪行方不明が2,549人、自殺者58人。
 売れ行き不振が原因である。コンビニやスーパーに客を取られてしまったのだ。
 酒屋では採算割れの値は出せない。だが、スーパーなどは他の商品を買わせるため、ビールなどを原価割れで出す。対抗できるはずがない。
 わたし(謫仙)にとって酒類はあくまでも食べ物を美味しくしてくれる飲み物なのだ。つまり食中酒だ。それには日本酒が最も優れていると思う。
 それから、冷や酒とは冷やした酒ではなく、常温である。冷やしてしまってあるのは、あくまで品質保持のためだ。もちろん冷えたのも美味しく、わたしはいつも「冷や」ではなく「冷やして」飲んでいる。

 燗の温度は次のよう。どの酒がどの燗が美味いのか、わたしは知らず。
飛び切り燗   五十五度
熱燗       五十度
上燗       
ぬる燗
人肌燗
ひなた燗    三十二度
冷や       常温
涼(すず)冷え 十五度
花冷え     十度
雪冷え     五度


最後に日本酒の種類を。
純米大吟醸酒
大吟醸酒
純米吟醸酒
吟醸酒
特別純米酒
純米酒
特別本醸造酒
本醸造酒
普通酒

生酒  火入れをしていない酒
原酒  絞ったままの酒

というのもある。
わたし(謫仙)の好きなのは、原酒である。添加していないので、当然純米かと思うとそうでもない。
 こんな日本酒に対する、いろいろな情報や知りたかった知識が、書かれている。
 普通に日本酒にするとアルコールは二十度くらいになる。だから売っている酒は少し薄めて飲みやすくしている。 
posted by たくせん(謫仙) at 08:18| Comment(5) | TrackBack(2) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
去年の酒の日、千曲川の最上流の酒蔵のきき酒コンテストで、
200人くらいの中で4位(4位が5人)となりましたが、
小諸の酒蔵でやった時は散々でした。
最上流の酒蔵の時は6種類で、全部当てた人は無く4種当てた
人が3人と私は3種、つまり半分でした。
なかなか、難しいものです。
どうも最初の印象のほうが、いいようで、飲めば飲むほど
わからなくなります。

冷もいいのですが・・・
私は燗も好きです。
特に冬は、何か、ホッとします。
自作の徳利と猪口のせいかもしれません。

燗の温度は、酒によって40から45度くらいですね。
それ以上は、酒の香りがきつくなりすぎます。

我が家は正月は、息子たちが、みんな日本酒を持ち寄り
賑やかになります。
もちろん、こうした酒は、冷で味わいます。

一時は秋田、新潟、金沢と日本海側の酒がならんだのですが、
二人、相次いで、東京に移って、今年は、どうなるか、
今から心配しています。

呑兵衛は困ったものです。
Posted by オコジョ at 2007年06月30日 09:55
今コメントが読めなくなっています。
試験入力
Posted by 謫仙 at 2007年06月30日 10:48
利き酒ですか。わたしにはとても無理だろうな。
一升瓶を買ってきて、封を開けて8勺くらいの湯飲み(みなのやさんからのもらい物)に注ぎ一口飲む。この時が一番美味しい。少し時間をおいて二口目。感じが違いますね。温度も変わってくると、かなり味も変わる。冷蔵庫から瓶を出して新たに注ぐと味の差にびっくりします。
次の日にはもう味の印象は違う。まして一週間も過ぎると、あれっこんな味だったかな。
これで利き酒はとても無理です。うまけりゃいいや(^。^))。
利き酒は飲まずに味わうだけでしたね。もったいない。
わたしもたまには燗にしますが、原則は冷酒ですね。酒も冷酒向きの酒が多い。碁の仲間でゆっくり飲むときは、燗にしたりします。これは外で飲むときですね。
東京にも酒蔵はありますが、東京を代表する酒はあまり聞いたことがありませんね。秋田・新潟・金沢と、三役そろい踏みの後は出にくいのでは…(^_^)。
Posted by 謫仙 at 2007年07月01日 06:48
本当の利き酒は飲みませんが、遊びですので、飲んでしまいます。
純米大吟醸や、古酒・・・
もったいなくて、そのまま胃の中です。

ですから、当たるはずが、ないんですね。
酒蔵の人に聞いたのですが、
一番、甘いか、辛いか・・・
かおりが、良いものと悪いもの・・・
こうしていくと、当たるというのですが・・・
Posted by オコジョ at 2007年07月01日 19:59
純米大吟醸や、古酒・・・
聞いただけでかおりが漂ってきます。
わたしの場合単独で飲むことはなく、いつも何か食べるときいっしょに飲むという形ですね。利き酒には向かない?
曖昧なようでも、かおりは決め手になりそう。
わたしのイメージでは柔らかい味と堅い味が判りやすそう。
夏子(夏子の酒)ほどになると、幸せといえるのかどうか。
Posted by 謫仙 at 2007年07月02日 09:27
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