2007年07月04日

獄門首

     半村良   光文社  05.9
 惜しいことにこの本は未完である。執筆途中で著者が亡くなった。
 半村良の作品はほとんど読んでいるが、何作か読んでない本もある。そしてこの本は、今まで存在を知らなかった。図書館で見てびっくりした。遺作である。

 稀代の大盗賊の話だが、幼年時代から始まり、盗賊として大手柄(?)をたて、いよいよこれから大活躍というところで終わる。
 題名からして、おそらく獄門首になるのであろう。それを捕らえるのは最後のところで登場する、火付け盗賊改めの進喜太郎であろう。

 ころは将軍吉宗の時代。名古屋の近くに殺人強盗夫婦が登場して30両の金を商人の手代から奪う。
 その夫婦には余助という、4歳になる息子がいた。これを生き道具として殺人強盗をするのだが、立派に助手の役割を果たす。
 当時の4歳と言えば現在なら2歳何ヶ月。それが芝居ができるのだ。
 そして、名古屋の寺の一画に一時的に落ち着き、偶然250両の大金を強盗団から猫ばばする。しかしばれて夫婦は殺される。
 強盗団が金の隠し場所を言えと拷問している間に、余助は250両を池の中に隠す。これが2歳何ヶ月かの子供の分別である。
 それからは孤児となって、お寺の世話になるのだが、名も正念と呼ばれ、細工物で頭角を現す。更に町の剣術道場の世話になって、利八と名を変え、剣術を覚える。
 そして、16歳のとき、藤沢の寺に行くのだが、あの250両は誰にも知られずに仏像に変えて、持って行く。4歳(2歳何ヶ月)の時にそこまで決心して、実行したというのがすごいことではないか。もちろん具体的に考えていた訳てはないにしても。
 藤沢では巳の助と名を変え、用心棒として名をあげ、更に神奈川では強盗団の一味になる。実際には藤沢での稼業もその盗賊団の一部であった。
 お江戸を取り囲む関東武士のなれの果て、任侠団の群れが、江戸幕府に対抗して、盗賊団として幕府に連なる大金持ちを襲う。巳の助は徳次郎と名を変えて、手柄もたてその盗賊団の有力者となる。

 さて、……というところで未完で途切れる。
posted by たくせん(謫仙) at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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