奈良国立博物館は久しぶりだ。新館ができたことも知らなかった。
今回は「曜変天目茶碗」が展示されるので見に行った。
曜変天目茶碗は中国からの輸入品だが、中国にはなく、日本に3点あるのみ。「曜変」も「天目」も日本で作られた言葉。5月の連休前後に、3点ともそれぞれの場所で展示されるので話題となった。
この博物館で見られるのは、大阪の藤田美術館所蔵の曜変天目茶碗だ。
中国では完全な品はないが、破片が見つかっているという。
見学者は行列となり、二十分ぐらい並んだ。

わたしの知っているのは、「なら仏像館」の部分だけだった。
新館の南側に茶室八窓庵を中心にした、庭園がある。新館の見学が終わり、庭園に行く。
この飛び石を通り、庭園内へ行く。
新館はこうして浅い水に囲まれている。
ちょうど躑躅が咲いていた。右端に八窓庵の一部が見える。
庭園に入ると左手にこの古木がある。
説明は覚えていない。
「奈良の八重桜」もしくは「奈良八重桜」という栽培品種。遅咲きであるとはいえ、5月9日では遅すぎた。「奈良の八重桜」といえば次の歌を思い浮かぶ。
いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほいぬるかな(伊勢大輔)
茶室は池の向こう側であり、池を半周する。
ここを通れば、近道なんだが(^_^)
腰掛待合かな。橋を渡る前に一休みして服装など整え、亭主の迎えを待つ。
八窓庵
静かな落ち着きのある建物だ。
曜変天目茶碗を見るために並んでいた人たちは、どこに行ったのだろう。わたし一人で庭園内を歩く。
わたしの好きな道だ。池の突端に来た。
八窓庵は竹垣で囲われている。
ここが八窓庵の中門か。
八窓庵を外側から。
八窓庵から離れる。この石塔、いわれはあるのだが、記録を撮り損ねた。
館内に戻る。
地下回廊のレストランで昼食とし、なら仏像館へ行く。
となりの青銅器館も充実していた。青銅器館のガイドと話し込んだ。
昔、台湾では、商(殷)の時代のきれいな青銅器が1個あれば、それだけで一品展が開けた。天目茶碗1個で、これだけの人が集まるようなものだ。
しかし、ほとんどは偽物であった。骨董品のプロには製作来歴が判っている品が多い。そんな時青銅器を見たプロは「眼福であった」と言って去る。決して偽物とは言わない。
台北故宮博物院の毛公鼎のような、中国最高の宝といわれている品まで偽物説がある。鑑定は難しい。それでも今は進歩した。
こんな話をして、博物館を後にした。