高千穂遙 早川書房 2018.12

11年ぶりのシリーズ8作目。
銀河系最強最大の広域犯罪組織ルーシファの一味を追い詰めたケイとユリが、爆発に巻き込まれ異世界に入ってしまった。知らない星域ではなく異世界。
そこでも似たような組織があって、従来のように事件が起こり、解決する(?)。
しかし、今回はふたりともあまり活躍していない。敵方もあまり組織が整っているようには見えないし、ふたりがいなくても、なんとかなったような気がする。
事件解決より、異世界から戻ってくることが、心を占めているような感じた。
いままでは、最後にやむを得ず、その星を滅ぼしてしまうのだが、今回は「やむを得ず」的な感じがしない。
美女が暴れて、人がゴロゴロ死んでゆく。これが必然だったか。そんな疑問がよぎる。そうなると、爽快感がいまひとつ。
わたしは登場する人物や組織や怪物などのネーミングが引っかかった。読みにくい、覚えにくい。ボボアダク・ドビビータル・ジャババーガ・バププロア、などなど。そのため名前とならず、記号になってしまう。
今回の紹介文は辛め。おもしろかったンですけど。