2月23日に日本棋院で、ジャンボ大会という碁会があった。15人一組で34組4回戦制である。
そこでちょっとしたトラブルがあった。原因はわたしにある。
終局を宣言し、相手も同意した。そして数えるためにいくつかのダメを詰めて、最後のダメを相手が打った。1−1だ。終局に同意していたため、考えず1−3に継いでしまったが、わたしの地中に手段が生じたのである。一目で判る1−4だ。

このあと、手段があれば、「手入れをしてください」となって手入れをして終わる。いつもそう打っていた。もちろん終局に同意したときのみだ。
ここでも冷静に3目を助け2目を捨てればよかったが、3目を捨て2目を助けたので半目の負けになった。
さて、問題は、手段が生じたとき、相手が打ったことである。
わたしは審判員を呼び、「終局同意後にこうなったが、どう判断するか」と訊いたのである。審判員は「その後も打っているので試合は復活している」と判断した。
わたしはここで投了したが、相手は納得出来ないようなので、「試しに数えてみましょう」となり、半目負けあるいは中押し負け、が確定したのである。
復活したのはどこからであろうか。復活したのなら、“復活を要求した人の相手の手番”で始まるはず。この考え方が、「手入れをしてください」につながるのだが、今では非常識になってしまった。
2002年のあの事件を思い出す。終局に同意したかどうかでもめた棋聖戦第五局である。
その後、 終局に同意を求めるのはアジが悪い となって、日本棋院では、ダメ詰めなど最後まで打って終局とする、と試合規定が変えられたらしい。
わたしの頭には、
対局の停止→ 死活の確認→ その結果の処理をして終局。という手続きがあった。
第九条−1(終局)
一方が着手を放棄し、次いで相手方も放棄した時点で、「対局の停止」となる。
今回は終局の同意がこれに相当する。
第九条−2
対局の停止後、双方が石の死活及び地を確認し、合意することにより対局は終了する。これを「終局」という。
第九条−3
対局の停止後、一方が対局の再開を要請した場合は、相手方は先着する権利を有し、これに応じなければならない。
「終局の同意は対局の停止とは認められない」あるいは
「その後も打っているので継続している。復活ではない」
という判定が欲しかったンですね。それなら納得だ。
相手の方は判りませんが、わたしなどネット碁「幽玄の間」では、ダメを詰めず欠け目を継ぐ前に終局が普通です。その癖が出たようです。
今回は、ダメ詰め後に手があるのに、とっさに気づかなかったわたしが迂闊でした。
相手の方が終局に同意したのは責められないと思います。同意を求めたわたしが間違いでした。
相手の方は大学生だったので、大學の囲碁部なら、厳しくそう打つのが当然なようですから。
>先に白が1−2にツギ、その後、黒は1−1を打ちながら手入れを要求すべきで
それがわたしの最大の誤りでした。反省しています。
打つところがあるのに終局に同意を求めたのですか。
テレビでもまだダメが空いているのに「終局になりました」と言いますが、よく分かりません。
強い人には当然かもしれませんが、まわりに聞く人がいないので教えてください。
あなたの棋力が判りませんが、終局まで打つことができるようになったとして説明します。
打つところがなくなった。
どちらがどこに打っても地が増えも減りもしない状況ということです。ダメが空いていても同じです。問題のスミも、どちらから打っても正しく打てば、増えも減りもしません。しかし、これには読む力が必要になります。ですから読めない場合は続けて打ちます。
次に「終局に同意を求めるのはアジが悪い」
片方が「終局ですね」と声をかけます。相手は終局なら構いませんが、また手がある時に承知はできません。けれど「まだ手がある」とも言えません。教えることになるからです。
声をかけた人も、返事がないと、なにか手段があると気づきます。そんな関係で、プロでは終局に同意を求めるのはやめて、ダメまで打つようになりました。
だからテレビで「終局になりました」と言っても、実際はあの後ダメを詰めてから終局にしています。それは勝敗に関係ないので放送しないだけです。
アマでは、そこまで判っていて、ダメが空いているのに終局を同意を求めるのは、時間の問題です。今回30分で、切れると負けです。終局に同意を求め時計を止めます。そして数えるためダメを詰めます。そうしないとダメ詰めなどで時間が切れることがあります。
人によっては、「終わったので止めますよ」同意を求めず止めてしまう人もいます。
これは別な問題を含んでいますが、ここでは追求しません。
新しい疑問です。
ダメしか残っていないと分かるのに、終局を拒否したらどうなりますか。
時計は止めてよいのですか。
ダメばかりでなく、ダメがなくなると、手段が生じることはよくあります。だから誰が見てもダメだけでも、その人は手段があると思っているかもしれません。結果手段がなくても拒否はできます。
かなり前ですが、韓国のプロ棋士が時間狙いで意味のない手を連発したことがあります。相手の抗議によって、負けをとなりました。
しかしこれも碁会の試合ルール次第です。
10秒でもよいので秒読み制度なら(時間がなくなっても10秒以内なら時間切れとしない)こういう問題のほとんどは解決するのですが、試合時間が長くなって進行に差し支えます。
アマの大会では、その審判員の指示に従うことになります。
ありがとうございます。