田中芳樹 講談社文庫 01.12
クレオパトラといえば美人の代名詞みたいな人物。実在の女王だが七人いる。我々がよく知っているのは、七人目のクレオパトラ七世だ。ご存知の如く最後の王である。

その名をついだ豪華客船「クレオパトラ八世号」での怪奇事件。
警視庁刑事部参事官でドラキュラさえよけて通るといわれる「ドラよけお涼」とその部下の泉田準一郎たち。
南アメリカにあるラ・パルマ共和国大統領を務めたことのあるホセ・モリタが日本にいて、「自分に手を出したら、日本人の血税3億3千万ドル山分けした……200人のリストを公開する…」と日本政府を脅しているらしい。
そのモリタが「クレオパトラ八世号」で香港に行くという。香港にある汚れた金7億5千万ドルは本人でないと引き出せないからだ。
「監視せよ」というのがお涼に下された命令である。
ホセ・モリタは麻薬組織に5000人も殺させて、約束の1億ドルを払わなかったため、怒り狂った麻薬組織に狙われている。政府としては自分で国外に出て行ってくれるのはもっけの幸いだが、万一のことがあってもリストが漏れないように、と言うのが無言の依頼であった。
なお、お涼のライバルともいえる警備部の室町由紀子警視と、その部下の岸本明警部補が護衛として乗り込んでいた。
なおこの本は泉田準一郎の一人称小説である。
いつもの如く事件が起こる。「ホセ・モリタが今回の事件に関係がある」という証拠はない、という室町警視の声にお涼は応える。
「わたしとアメリカ軍のやることに、証拠なんていらないわ」
アメリカ軍を処罰する国はないので、アメリカ軍は証拠なしで攻撃するが、お涼は間違った場合は責任をとらねばならない。もちろんお涼はそんなはめになったことはない。
足の指の爪だけで一万人の男を悩殺できる、といわれても想像もつかない。美女なんでしょうね(^_^)。
怪奇事件を法を無視した理不尽なやり方で解決する。でも、とても苦情は言えないなあ(^。^))。
そういえば藤あや子さんのファンですよね〜彼女もそんな危い色気がありませんか??
結婚する相手の条件は、「乱闘になったとき、背中を任せられる人」。
いわゆるお偉方の1人で、滅茶苦茶をやってまわりを困らせます。それでも部下が信頼しているのは、危険なところは真っ先に飛び込む勇気です(^。^))。
藤あや子さんの場合は作られた美しさ。洋装の時は動きが一変しますよ。