2007年07月12日

夜光曲

  夜光曲 −薬師寺涼子の怪奇事件簿−
      田中芳樹  詳伝社   05.2
 警視庁警視薬師寺涼子とその部下警視補泉田準一郎の、東京に起こる怪奇な事件を解決する話である。シリーズの何巻目だろう。
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 薬師寺涼子は国宝的な美貌の持ち主ながら、無双の凶悪さで、ドラよけお涼(ドラキュラもよけて通る)と悪評が高い、いや悪い。

 今回は、新宿御苑の新緑が一夜にして枯れ木となった。
 その夜、蛍狩りに行った二人と涼子の個人的助手の二人のフランス娘は、人食い蛍に遭遇する。
 その後、ネズミの大群が現れて都知事を襲ったり、ムカデの大群が警視庁を襲ったり。
 毒兵器のテロか、生物兵器かと青くなるお偉方を無視して、涼子は独力で問題解決を図る。
 東京の巨大な地下道。そこに巣くうマッドサイエンティストを探し出す。
 そのドタバタは本を読んで頂くとして、相変わらずの毒舌がうれしい。

 ベトナム戦争において枯れ葉剤策戦を行った世界最強のアメリカ軍は、その強力な奇策によって敗退した、とか。
 新宿御苑が枯れたのは枯れ葉剤か、という疑いに、泉田準一郎が「アメリカ軍が出てきていない」と指摘すると、「日本の警官を危険なところにやって、安全を確認してから、アメリカ軍は出てくる」とか。
 日本はアメリカの占領地扱い。
 あるいは、都知事の息子が国会議員に立候補したが、第一声に、「ボクのパパは都知事です」とやってずっこけたとか。
 それでも「都知事の息子」という票が1000票ほどあったとか。
 息子の落選を怒った都知事が「あの選挙区は民度が低い」と言ったため、その選挙区では二度と立候補できなくなったとか。

その、障子破りの…ではない、横紙破りの都知事の言葉、
「だいたいオレはいつもいってるんだ。外国人どもとからすを追放すれば、東京は清潔になるし、治安だってよくなるってな!…」

「お台場にカジノをつくる」
「アメリカ軍の横田基地を返還させて国際空港にする」
「銀行に特別課税する」
と公約だけはハデだったがすべて失敗。成功したのはカラス退治だけというみじめなありさまなのだが……


 結局はその都知事が、警視庁は都知事の指示に従わないからと、勝手に私設の軍隊のようなものをつくり、軍隊ごっこをしていたが、その連中が、マッドサイエンティストを助けていたのであった。
 その連中の低脳ぶりは、天龍八部の悪名高き星宿派(せいしゅくは)の門人たちを思わせる。
posted by たくせん(謫仙) at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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