明朝が滅び、清朝に変わるとき、いつものように様々なドラマがある。
感想だけで本の説明がない紹介文になった。
長城の東のはて山海関を守る呉三桂は、北京に残してきた愛妾陳円円を、反乱軍の李自成軍に奪われ、今まで敵対していた清の協力を得て、奪い返す。
これを以て、史上最大級の裏切り者の評価を受けることになる。
それまで清軍は長城を越えることができなかった。
(注 一度越えたことがあるが撤退した)
だが、明を滅ぼしたの李自成であって、呉三桂ではない。また、庶民にとっては、明の滅ぶのは喜ばしいことであった。
明の最後の嵩禎帝(すうていてい)は落城のとき、宮女たちが賊に汚されないよう、血刀をひっさげ殺して歩いた。理由は、かわいそうだから。
突然父に殺される、皇女たちの悲しみはどんなものか。
宮女のなかには、奴隷のように売られてきた者もいるだろう。そのような者にとっては、帝の勝手な理屈で命を奪われるほうがよほどかわいそうだ。
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このように、国をはじめとする各種団体の長は、個人と団体を同一視することが多い。
娘をはじめ一族の女たちを売り飛ばし、そのお金で一人で贅沢をし、一家が栄えたと喜ぶ男がいる。
一家のためにと、犠牲を強いられた女や部屋住みのことを、一家が栄えたから喜んでいるとうそぶく。
これは極端にしても、そのような傾向はあちこちで見られる。
北宋の滅びるとき、宋は北京周辺の人々を塞外民族から救うと言ったが、その人々は宋の支配に入ることを嫌がった。
この小説でも、明は清から庶民を守ると言うが、清の方が明より優れた政治をするので、庶民は清の支配に入ることに抵抗はない。
「紅顔」はこのテーマで貫かれているように思う。
寵を得ている間は良いのですが、まこと、邯鄲の夢とはよく言ったものだと思います。
井上裕美子さんは中国ものばかりかと思っていたのですが、
今、NHKの土曜ドラマの脚本を書かれてます。
還暦を迎えて一念発起して弁護士になった三人のおじさんが織りなす人間ドラマで、出演も渡哲也、石坂浩二、地井武夫となかなか豪華です。
今日は第三回目です。見なくっちゃ(^^)
運悪く、主の死と共に滅びていくのも哀れ。
韓国宮廷は中国宮廷をまねていることが多いので、韓国ドラマでもそのようなドラマが作られる。同じことは世界中にあったことでしょう。
井上祐美子さんがドラマの脚本。なんかしみじみとしたドラマになりそうですね。
ところで前に教えてもらった見川鯛山の「山医者のちょっと一服」が区内の図書館にありました。近くの図書館に取り寄せて貰い、昨日借り出すことができました。
他にも二冊あり、「ちょっと一服」がよかったら他の二冊も借り出すつもりでいます。