2022年10月23日

幸福な監視国家・中国

梶谷 懐, 高口 康太    NHK出版   2019.8

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 この本はコロナ・ウイルス騒ぎ以前に書かれた。それ故に現在ではかなり様子が変わったと思われる。故に細かいことは書かない。
 わたしが読みながら感じたことである。だからいつもの本の紹介とは違う。

 幸福論ではない。ここでいう監視国家は、「1984年」とは少し異なる。
 たとえば暴力が支配する地域があったとしよう。その地域の至るところに監視カメラが備えられれば、そこに住む人々は幸福感を味わえる。そんな意味合いだ。
 中国では法整備が追いつかず、民間(?)でダイナミックに事業を展開してしまう。中国の急成長はそれに由来するところが大きい。時の権力者の資金源になるため、違法でも保護される。そして、国際社会でもルールを無視して勝手に展開する。 
 それがここに来て、停滞してきた。国内では共産党内の派閥争いで、旧権力者の保護による有力企業が打撃を受けている。習近平は国の経済より、権力争いを優先して、他派閥資金源の世界的企業に圧迫を加えている。
 国際社会ではルールを守らず退場を余儀なくされている場合もある(アメリカの株式市場など)。コロナウイルス問題もあり、見通しは明るくない。
 この本が書かれた当時はイケイケの中国経済だったが、現在は暗雲が垂れ込めている。こんなわけで、内容は興味深いが、全てを信用できるわけではない。
 この本ではかなり誤意見が見受けられる。特に大企業を民間企業とするあたりだ。ほとんどは半国策の会社であろう。その時代の有力政治家の派閥資金源になっている。
 自由意見を言えるだけの環境にいない人に世論調査をしても、ほとんど無意味だ。逆に自由意見を言えないことが垣間見える。
 そんなわけで、監視社会が中国で受け入れられた社会土壌など、参考になる。
 将来に対する展望は希望があるのだが、それもコロナ・ウイルス騒ぎや、国策企業への圧迫などで、かなり狂ったのではないか。習近平派閥の資金源企業がすぐに育つかどうか。
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 以下はわたし(謫仙)の考えていたことである。
 中国といえば共産主義国家と思う人が多い。だがそれは違う。支配する中国共産党は、組織の看板として共産主義を掲げているだけだ。
 中国共産党が共産主義になれない理由は判っている。
 共産主義にはまず民主化しなければならない。民主化が共産主義のスタート台だ。これができていない。そして国民の生活を支える経済力だ。
 日本はすでにそこから踏み出している。第一歩は、国民皆健康保険だ。第二歩は年金だ。それから失業保険。これら社会保障はソ連と向き合っていたころ充実させた。そして経済力が勝るため、ソ連を遙かに凌駕する共産主義政策となった。
 最近ではベーシックインカム(ベーシックインカムとは)が考えられている。しかし、そのマイナス面もあり、導入は当分ないだろう。
 将来生産は全てロボット化して、失業率が5割を超えるようになると、導入が必要となろう。
 西方極楽浄土や天国は共産主義に思える。当然ながら名前は異なるだろう。資本主義とは考えにくい。このことから共産主義は実現不可能に近い理想社会でもある。
 犯罪がなくならなくても、警察は必要だ、無駄ではない。事故がなくならなくでも消防は必要だ。実現は難しくても、多くの人は無意識に共産主義を目指している。もう一度言うが、共産主義の名は変わっているであろう。
 漢民族は4千年の帝国主義思想に支配されていて、帝国主義の範囲でしか考えられない。民主でも法治でも、帝国主義の範囲内での話になる。
 もっとも台湾や香港や華僑は西洋的な民主を考えることができる。
 中国ではしばしば、警察組織が、反社的組織と親しく思えることがある。そのため地元警察は信用できなくて、中央に訴え出ることがある。

 現在では中国外の西欧的な市民社会にも、非民主の陰が忍び寄っている。民主疲れとでも言うか。負担軽減(つまり利益)を求めすぎてしまうのだ。
 日本の総選挙では表だけでも一千億円以上もかかる。選挙を止めれば一千億円が浮く。全てにそう考えると、経済的負担は軽くなるが、国家機能に大きな傷ができる。民主化していない中国ではこの傷が大き過ぎるように思える。

 日本でも、国民の生活を支える経済力に陰りが出ている。放漫財政のためだ。企業の体力が弱くなると、株価は下がる。これを強引に株価だけ上げても体力は回復しない。原因と結果を取り違えたのが、現状ではないか。
posted by たくせん(謫仙) at 08:28| Comment(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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