2007年08月01日

2000年間で最大の発明は何か

    ジョン・ブロックマン 編   草思社  2000.1.1
 二千年を間近に控えて、ネット上である問いが発せられた。
「2000年間で最大の発明は何か、その理由は」
        saidainohatumei.jpg
 重要さはなんによって測るのだろう。
 コンピューターという人がいる。真空管という人がいる。真空管がなければコンピューターはできなかった。現在は真空管はなくてもコンピューターはある。だが金属加工技術がなければできない。その前に電気をつかう技術がなければならない。だから電池をあげる人がいる。エネルギーの制御技術だ。
 印刷技術という人がいる。これによって知識の累積ができるようになった。コンピューターも印刷技術がなければできない。では紙はインクはとあげていくと、どこまでも過去に遡る。大学・水道・飛行機・テレビなども候補だ。
数字の0の発明も大きい。もちろん0の発明はもっと前だが、それを数式として、使いこなしたのは2000年以内だ。
 それらを生み出す都市をあげる人もいる。だが都市は単独の発明ではない。
 インターネットをあげる人もいるが、電気の制御技術とどちらがインパクトがあったのか。
「ない」という説もある。大事な発明はほとんど紀元前にできている。家畜化・植物の栽培・金属加工・印刷・都市でさえ。
 ただそれらが効率よく利用されるようになっただけだと。

 発明は人々の生活を変えた。そして思想も変える。
 科学的という態度、教育という概念、宗教の持つ意義、情報の価値。
 神の支配から抜け出すことをあげた人もいる。わたしを含め多くの日本人は抜け出しているので信じがたいが、今でもほとんどの人は神に支配されている。逆に日本人のように支配されない人は特別で、つきあい(葬式儀礼)のために仏教徒を名乗っている人が多い。その場合は良心が神に相当するか。
 この本ではアメリカ人の60パーセントが、神は6日間で世界を作ったことを信じているという。ほんまかいな。
 キリスト教とイスラム教・微積分・時計・自我・自由意志などなど。

 発明という言葉の意味を限定しなければ収拾がつかない。自我や自由意志なんて発明品か。期間についても、実際の発明の時期ははるか昔で、改良されたのがこの2000年以内というのが多い。都市など紀元前からある。植物の栽培、つまり農業ははるか昔に遡ることだろう。
 これらはインターネットで発表され、それに対する反論もある。また後から書く人は前に書いた人とは別なことを書こうとする。そして自分の専門分野でよく知っている物をあげたがる。
 もしわたしならは、次の物は絶対にあげない。
 緑の革命・消しゴム・クラシック音楽・蒸留法・読書用眼鏡・籠・公開暗号システム・馬の家畜化・ガトリング砲・二十世紀後半の医療など。
 あげたい物は、
 印刷機・電気の実用化・教育の普及・インド−アラビア記数法(桁という概念ですね)、コンピューター。
 注目したいのは、複式簿記法、これによって貨幣の計量ができ、目に見えない財産を管理できる。また、テレビ・アルファベット・飛行機など、但し「最大の発明」という言葉に引っかかる。

 腹の底では「碁」であると思ってる(^。^))。 紀元前からあったが、最終的な形は紀元後だ。
posted by たくせん(謫仙) at 07:52| Comment(4) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は物心つくようになった頃、衣食住の基本になるもの、つまり、羊毛から毛糸を作ったり、小麦からパンを作った人は凄いと思っていました。
今でもそれは変わりません(2000年よりもずっと以前の発明ですけど)。
だって、まったくどんな変化を遂げるかわからないのに、その過程を一から発見していくんですよ。
やっぱり神様がいて、作り方を教えてくれたんじゃないか、と素直に考えていました。
すみません、なんだか的外れなコメントになってしまいました・・・。
Posted by ちーねー at 2007年08月01日 21:45
この本の回答者は科学者や大学教授など、いわゆる見識のはある人ばかり。理由を読むとなるほどと思うのですが。
基本的な発明はほとんど紀元前にされていますね。
特許をとったのはいつか、の争いになりかねません。

パンなど、数千年かけて完成した物でしょうね。おなじような基礎的な発明は長い年月がかかっている。
上にあげた発明の多くは、数十年の研究で完成している物が多い。そして、こういう物を作ろうとして研究している。発明の元になる物はすでに存在している。
飛行機−鳥、 計算機−計算方法、 電話−会話、 印刷機−筆記など。
しかし、パンなどはそういう先行する物が存在しないので、長い時間がかかる、重大な発明なんですね。だから、重大な発明はすべて紀元前に済んでしまっているという説に頷きます。
「子供を産めなくなった女は生物的に不要」と言って顰蹙を買った人がいましたが、本来の言葉は、
「そのような女が文明を発達させた」、ということらしい。
まさにパンなどその代表でしょうね。
Posted by 謫仙 at 2007年08月02日 07:47
僕が一つ決めるとしたら「活版印刷術」ですかね。
それによる「本」の大量印刷・大量配布。
”大量”というところにポイントがあるので、それ以前の類似の技術はこの際あまり関係ない。

ポイントとしては
1.「2000年」と言ってもそれは結局”現代”、現代文明・文化、現代人から逆算してのことであって、要は人類の他の普遍的な部分とは違った現代(西側)社会の人間の特徴を生み出したものを探せば良い。
2.それは「個人」の「内面」(の「自由」)という精神性、それの”マス”レベルでの一般化と共有にあると思う。”マス”の形成というか。
3.それを生み出し、また世代を越えて領域として固定・確保したのは、「大量印刷・出版された本」という”ニューメディア”だと思う。

ちなみにインターネットやブログ(笑)というのは、基本的にそれを更に進展・展開させたものだと考えています。考えていますが・・・・やっぱ全然マイナーというか本質的ではないですかね、本と比べると。
どちらかというと精神的というより社会的な影響、「出版の自由」を手に入れたという感じ。
Posted by アト(なんか楊過) at 2007年08月03日 15:59
活版印刷が一番多い回答のようでした。
これによって先人の知識が集約できて、大衆に伝わり、次の人がそれに積み重ねていく。
特定の人ではなく社会に伝わるところに着目。
ます最初にこの回答があり、それ以外にないか、という形で他の答えが出てきたようです。
それにもアルファベットが基本的発明で、印刷はそれに付随するという説があります。他の文字たとえば漢字では活版印刷は無理だった。
本が好きな人は間違いなく印刷のようですね(^。^))。
Posted by 謫仙 at 2007年08月04日 06:53
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/49903471
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック