2007年08月16日

敦煌

   井上靖   新潮文庫   昭和40年
 「敦煌」を再読した。最初に読んだときは、背景が判らず、意味が判らなかったことが多かった。
 それが少しは中国の歴史を知り、特に李清照を調べる時、経済的に繁栄しながらも問題の多い宋の時代を知り、その外交の問題を知ると、この小説は実に興味深い。
 敦煌の莫高窟を見学して、西域を身近に感じると、「敦煌」は別な意味合いを持つ。
1004年、宋は遼と「澶淵の盟(せんえんのめい)」をむすび、歳費として絹20万匹・銀10万両を、遼に支払うことになった。
 その後の外交の失敗で、1042年、遼への歳費が、絹30万匹・銀20万両となる。
 さらに、1044年、宋から西夏へも歳費を払うことになった。
 絹13万匹・銀5万両・茶2万斤。
 宋は平和も購ったことになるが、遼と西夏への歳費は財政を圧迫した。

 その西夏の勃興期に、宋から西域に行った趙行徳が、その様子を体験する話である。
 敦煌は、東から西夏、西からウィグルに攻められ、滅びる。そのおり貴重な経典類を莫高窟に隠す。
 それらは清朝時代に再び日の目を見たが、価値が判らず、半分は外国に売り払われてしまった。
 西夏は、漢字を真似た文字を作っている。現在、その文字は貴重な歴史資料となって、研究されている。
posted by たくせん(謫仙) at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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