2007年09月17日

陰陽師

    夢枕獏  文藝春秋     
 陰陽師
 陰陽師 飛天ノ巻
 陰陽師 付喪神ノ巻
 陰陽師 鳳凰ノ巻
 陰陽師 生成り姫
 陰陽師 瘤取り晴明
 陰陽師 龍笛ノ巻
 と続く、短篇集である。
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「瘤取り晴明」だけは絵物語であり、一冊一話だが、中編に近い。

 いつもの如く、問題が起きて、陰陽師の阿倍晴明(あべのせいめい)に解決を依頼する人がいる。
 対策を決めたころ、親友の笛の名手源博雅(みなもとのひろまさ)が訪ねてくる。
 満開の、散っても散っても花の減らない桜の下で、かいがいしく世話をする女は、式神で樹木などの精。
 酒を飲み、博雅の笛「葉双(はふたつ)」の音を聞きながら解決策を秘めて一時を過ごし、説明する。

 こんな話があった、解決のため出掛ける、どうだ、お前も行かないか。
「う、むむ」
「いこう」
「いこう」
 そういうことになった。


と、毎回のようにそういうことになって、二人のコンビで平安時代の闇の部分の問題を解決していく。
 この問題が並ではない。

 龍笛の巻ではないが、こんな話がある。
 生前、いつも法華経を唱えている者がいた。それが死んでも朽ちずに、法華経を唱えている。
 ある僧が、「功徳を積んだからこそのことであろう。まことにこの方は尊者である」と言った。
 しかし、晴明はそれも鬼の一種と看破する。 
「執心が強ければ鬼になる」
「法華経を誦して極楽往生を願うのも執心ということでは同じ」

 仏教だけではない。神道・道教・儒教・日中の神話・漢籍など、おどろくほど造詣が深い。
 それを読むだけでも、読む甲斐があるだろう。

「しかし名を呼ばれて返事をしたのはまずかったな」
 晴明は杯を置いてつぶやいた。
「名を?」
 博雅が訊く。
「たとえ名を呼ばれても答えねば、風の音と同じだが、呼ばれて答えれば、そこに縁という呪が結ばれてしまう」


 たとえ偽名でさえ、答えれば縁という呪が結ばれてしまうという。その呪をどうやって解くか、これが陰陽師の能力と言うことになる。
 蘆屋道満という、まともとはいえない陰陽師との駆け引きも面白い。

 晴明の師匠賀茂忠行には、賀茂保憲というすぐれた息子がいた。晴明とっては主筋に当たる。二人で協力というより役割分担して、事件の解決することもある。
 保憲は勘解由小路流の祖と言われている。
 晴明は土御門流の祖である。
 陰陽道の二大流派であった。
posted by たくせん(謫仙) at 07:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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