2007年10月22日

囲碁界の真相

   石田章  河出書房  03.7
 03年当時、久しぶりに手にした囲碁随筆である。
 本屋で手に取り開けたページに、
江戸・明治時代と現代のレベルを比べたら「現代のほうが上」などとは、とても言えません。私はむしろ秀策や秀栄の方が上だと思っています。 
 とあって、大石のウッテガエシを喰らったような気がして、その場で買った。
        igokainosinsou.jpg
 従来は漠然と、棋理の進歩した分だけ、現代の方が強くなっているのではないか、と考えていた。
 今までの比較論はタラレバであった。
 道策に現代の進歩した棋理を学ぶ機会を与えタラ。
 秀策にコミ碁の打ち方を教えレバ。
 それをタラレバなしで秀策や秀栄の方が強いという。“基礎筋力”が強い。故に終盤で間違えない。それが現代の碁は逆転だらけである、故に勝てないという。
 昔の碁は終盤で間違えない。それを前提として、序盤中盤を厳しく打っている。
 現在彼らを超えるのは李昌鎬(イ・チャンホ:韓国)だけである。というのだが。
 高川秀格さんは、「プロでも序盤が下手な人・中盤が苦手な人がいる。しかし、終盤が下手なプロはいない。終盤が下手ではプロになれない」と言っていた。
 石田章さんは、終盤に間違えるようでは過去の名人には勝てないと言うのだ。
 二人が重なって見える。
 石田さんはそれでも山下敬吾・羽根直樹・張栩の三人に希望を託す。
 現在07年では、もうひとり高尾紳路が抜け出て、四天王と言われている。

 過去の棋界は日本が中心で中・韓・台はマイナーだった。
それが今では逆転し、韓が中心になり、中が次ぎ、日本はマイナーになってしまった。その原因を書いているが、現状ではますます差が開くばかり。
 早くいえば、見返りである。プロ入りするのは東大に入るより難しいといわれているが、収入はベスト20でも一千万円程度、日本は豊かになり、サラリーマンでも一千万円程度の人はいくらでもいる。魅力が乏しいのだ。
 ほとんどの人はトーナメントでは生活できなく、稽古碁で生活している。それが韓国や中国では一般の人から見ると、かなりの高収入になる。中国がトップにたったころは、ひとつのタイトルで普通の人の月給の数百倍の収入を得た。
 それほど魅力があれば大勢が棋士を目指す。棋士を目指す人が当時日本の院生は80名ほど、韓国では制度が違うが、院生に近い人がその数百倍、院生のトップクラスはトップに定先のレベル、すでに高段である。土台が違うのだ。

 棋士になる条件として、子供のときに、
 一日十時間、一年三百六十五日、十年、の碁の勉強をあげている。
 そして子供のときの豊富な実戦経験が“基礎筋力”をかたちづくる。
posted by たくせん(謫仙) at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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