2007年11月20日

岳飛伝

   田中芳樹   中央公論新社  01.9
 全4巻
 本邦初訳であるらしい。
 北宋が金によって滅び、生き残った皇族が南宋をおこし、ようやく国を保ったころ、金と戦い、連戦連勝した岳飛の講談調の物語である。

 岳飛は、最大級の人気者であり、中国人の思い入れが深い。
 田中芳樹は、原典のあるものは、原典のおもしろさや味わいを尊重し、おかしくても、かってに作り替えるようなことをしない。という意味のことを言っている。

 原作は、いろいろなエピソードを寄せ集めたため、ストーリーは一貫性が乏しく、ご都合主義で、お奨めとは言いがたい。
 わたしの場合、おもしろいかどうかと、他人に勧めるかどうかは基準が少し異なる。

 わたしは、金庸のご都合主義は気にならないのに、ここではなぜか気になる。歴史小説として読んでいるせいか。
 例えば神に守られたはずの高宗が、あるときはとてつもない暗君となり、売国奴の秦檜に操られる。

 高宗にとって、金に囚われの身になった、徽宗と欽宗は邪魔者であった。
 もし欽宗が帰国したら、皇帝の位を返上せねばならない。建前で返せと言っても、裏では帰らぬように工作する。
 それを知っている秦檜に、高宗は逆らえない。

 秦檜は1130年に金から帰国。
 1138年、宰相になる。
 そして 1141年、岳飛を獄死させる。
 第4巻はその後の物語となる。
posted by たくせん(謫仙) at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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