2008年01月15日

邪馬台国はどこですか?

   鯨統一郎    創元社推理文庫   1998.5
 カウンター席だけの地下酒場。
 宮田六郎・早乙女静香・三谷敦彦の三人とバーテンの松永。
 繰り広げる歴史検証バトル。
 静香の教科書的解釈に対し、大逆説をもって論破する宮田。
 面白い本を読みました。
 章題を示します。

悟りを開いたのはいつですか?
邪馬台国はどこですか?
聖徳太子はだれですか?
謀反の動機はなんですか?
維新が起きたのはなぜですか?
奇跡はどのようになされたのですか?


 これだけでは判りにくいが、上から順に
 お釈迦様は本当に覚ったのか。
 邪馬台国は岩手県だ。
 聖徳太子と藤原一族は架空の人物。
 明智光秀はなせ謀反を起こしたのか。
 明治維新は勝海舟か起こしたのではないか。
 イエスキリストの復活はどのようになされたか。
などという話が展開する。
 宮田説は、青史の欠点をついて論証するが、逆に見れば青史以上に欠陥のある説であり、同じように論破できよう。
 その中で「お釈迦様は本当に覚ったのか」という問題は、重要な提案を含んでいる。というのは、悟りとは何か、定説がないからである。
 八苦を知り、八正道を得た、というが、八正道の中身は「正しい言葉」「正しい生活」……。
これを聞いてあなたはブッダが覚ったと思いますか。

 わたしにとって、これは三十年前からの疑問で、この本で展開している論議は、思わず、そうだそうだと賛成したくなった。
 もちろん、宗教者が信じるのは別な話ですよ。
 付け加えると、わたしにとって、たといブッダは悟っていなかろうと、ブッダの魅力は少しも減じない。
 これが鯨氏のデビュー作であるという。
posted by たくせん(謫仙) at 16:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白そうな本ですね。
歴史は、時代によって解釈が違いいつの間にか定着します。
本当は歴史が定着ではなくて、解釈が定着するのですが・・・
こうした、ことを考えるのは楽しいことですね。

ブッダが覚ったかどうか・・・
ブッダが人である限り覚ることはなかったでしょうね。
その時点での結論はあったとしても・・・
それで人々を救えたわけではなく、
あったすると自己満足・・・

その自己満足の高さ貴さは置いておいた話です。
懸命に生きた仏陀、そして、
後世に与えた影響は揺ぎないものですね。
Posted by オコジョ at 2008年01月16日 10:15
歴史の解釈は新しい証拠が出て、ひっくり返ることがある。
現時点ではこう考えられている。ということですね。
ブッダの場合、その考え方が後世に大きな影響を与えたことが、評価の大きさになっていますね。
考え方に普遍性があって、他国の人に支持された。しかし、インドでは支持者は少ない。
輪廻から解放されるのは難しい。覚ったと言うこともインド人にとってはそれほど救いにならなかったのでしょう。
輪廻の思想を持たない人が共感できるように思います。
Posted by 謫仙 at 2008年01月17日 08:25
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