2008年01月20日

中国の大盗賊

   高島俊男   講談社   1989.11
 盗賊といえば、袴垂保輔・石川五右衛門・盗石などが思い浮かぶ。
 この本で取りあげた中心人物は、漢朝の劉邦・明朝の朱元璋・太平天国の洪秀全・毛沢東の4人である。

 あとがきから推測すると、毛沢東が盗賊であることを強調したかったようだが、題名からして中身がひとりに絞られるのは問題かな。ひとりを大々的に取りあげ、あとの人は刺身のつまでは、バランスが悪い。
 出版社では、その部分を殆ど削ったため、バランス的にまともな本になったようだ。そうなると、もともと内容が濃いので、読むにあたいする。

 中国における苛政と、それからはみ出し盗賊とならざるを得ない民衆の苦しみを目の当たりにするであろう。

 政府の高官が民衆を救うというのは「中国の苛政の対象にすること」で、民衆は“救われたい”とは思っていないことが多い。
 盗賊王朝の初期は、昔の無教養な仲間が政府高官となることが多い。それらは殆ど粛正される。
 そんなことが毛沢東の時代でも繰り返されたのだ。

 最近省略した部分まで入れた本ができたという。わたしは読みたいとは思わないが、これから読む人は、そのほうがよいのではないか。良くも悪くも著者の意図通りの本であるので。
posted by たくせん(謫仙) at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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