2008年01月25日

鹿鼎記 二 天地会の風雲児

  金庸  訳 岡崎由美・小島瑞紀  徳間書店 03.9
 韋小宝は少年康煕帝に信任されながら、天地会青木堂の香主(青木堂の頭)の仇オーバイを殺すことにより、香主になってしまう。
「貴殿は堂に何本香をたてるや」「五本なり」
 香の数で地位が判るのだ。香主は五本である。
 天地会の総舵主陳近南が韋小宝を弟子としたため、青木堂人たちも一応韋小宝をたてている。また、陳近南の命令で、引き続き康煕帝に仕えている。
 天地会とは「反清復明」の組織である。矛盾する立場であるが、内力も武力もない韋小宝が、機転を利かして、うまく立ち回る。
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 昆明の王「呉三桂」の息子と、呉三桂に圧迫された沐王府と、天地会、三者の軋轢ぶりが第二巻の中心である。呉三桂は清朝の王ではあるが、明朝の時代は清朝と対決していた。そのため身分が不安定であった。
 沐王府の姫(郡主)をなりゆきで宮廷の韋小宝の部屋に入れる。その扱いが彩りを添えている。
 明朝は滅んだとはいえ、残った王たち(皇帝の親族)が幾つかのグループに分かれて名前だけの政権を作った。福王・唐王・魯王・桂王。
 台湾で亡命政権を作ったのが唐王(の子孫)、これは天地会などが支えている。
 地下組織桂王(の子孫)、これは沐王府が支えている。
 この亡命政権二派の、見込みのない復明(明に戻す)後の、皇帝を誰にするかでの争いは愚かだが、現実にはよくあること。まず復明してからなどと考えていると、復明後に粛清される。
 宮廷生活のでたらめぶりもみもの。高官の仕事といえば賄賂を取るのが目的といえるほど。初期の略奪体質が色濃く残っている。
 ホンタイジ(2代目)は、ある城を落とした後、城を留守にして更に山東に進軍した。ホンタイジの留守中に、残った将軍たちが、城を空にして略奪に出かけたため、城を取り返されてしまったことがある。この本ではその略奪を、武力によらず、権力でやっているようだ。
 豚を納める業者が来る。みんなでその豚をけなす。仕方なく業者はその場で全員に賄賂を公然と与える。すると全員で豚を褒めだす。
 第一巻だが、韋小宝とソエトは失脚したオーバイの屋敷を没収する。その時、没収した財産は235万両。それを50万両づつ二人で分けてしまい、残りの135万両を没収したと皇帝に報告する。
 これで韋小宝は一躍大金持ちになっている。
posted by たくせん(謫仙) at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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