王座戦は持ち時間三時間で、国際棋戦に合わせた持ち時間になっている。日程も一日おいてすぐに打ったりして、国際棋戦に近い。山下さんは完全に復調したようだ。
棋戦の主催者は日経新聞社で、わたしの棋友に日経の社員がいて誘われたのだ。
「普段の恰好でいいのかな」
「大勢がネクタイしているところに、普段の恰好で気後れしなければいいんだよ」
こういわれて、十年ぶりにネクタイを締めた。
日経ビルで二時半に五人待ち合わせ。それからそこで碁会を開き、五時半に帝国ホテルに向かう。
会場は山下王座のほか対局相手の今村九段もいた。今村さんは関西棋院の役員でもあるので、立場は関西棋院の代表。今村さんとは、あとで一言だが話を交わすことができた。もちろん初対面だ。
日経の社長や日本棋院の理事長などの挨拶のあと、石田芳夫九段が最後の挨拶をして、石田九段の音頭で乾杯。
気づいたプロ棋士は小川誠子さん、武宮正樹さん、水間さんなど。
見渡せば、ほとんどは年配の男たちで、ネクタイをしている人ばかり。
わたしはワインを飲みながら、いろいろ食べたが、どれもけっこう美味しい。
お開きになり、それから近くで、緑星会(緑星囲碁学園)の大橋さん(山下王座の後輩)などと、文字通り一杯。
日本棋院のインターネット碁会所「幽玄の間」では、わたしは本来の名とは別に、別名8級で登録している。それがけっこう相手が強くて勝つのは容易ではない。もちろん勝ち進んでは昇級してしまうので、適当に負けたりするのだが。
大橋さんは、「幽玄の間」で指導碁を打ったことがあるという。
「幽玄の間はあまり差がない。幽玄の間で10級なら、碁会所では初段で打てます」という。建前では井目差があるはずなのに。このあたりにネット碁の問題があるかも知れない。
そのほか、緑星会では、山下王座がタイトル保持者になっても当番でお茶くみをしたとか、いろいろ聞くことができました(^。^)。