白 小龍女
碁はめったに現れない形がいろいろある。
碁会所に通っていたころ半目勝負は珍しかった。一年に一局あるかないか。あるとき二局続いたことがある。わたしにとっては珍事であった。ところがネット碁を打つようになると、半目(持碁も含めて)勝負はけっこうある。珍しくも何ともない。
図は欠け目生き。初めて現れた形なので紹介させて頂く。
中央の黒は目はないが生きている。
欠け目で生きていることに気がつくのが遅く、目を作ろうとして、後手を引いてしまった。盤面で持碁。これで勝っていたら自慢なんだが。一応形は知っていたが、実戦で現れたのは初めて。
次の図は、ネット碁で現れた形。わたしの白番で相手は台湾の人。
左上がスミの曲がり四目。このままで黒は死。
スミの曲がり四目は珍しい形ではない。だが、わたしの実戦で現れたのはこれが三局目か。難しいのは、これで黒が死であることを相手に納得させることかな。知らない人がいるのだ。名も誤解されやすい。曲がり五目を四目とはこれ如何。本当に曲がり四目になったら劫である。
仮にこうして曲がり四目になったら、「1−二」に白が打って劫になる。もちろん黒が打つ機会があれば生きる。
このままセキとしても勝っているので、どうでもよいのだが、なんと負けてしまった。
いつも秒読み三十秒で打っているのに、これは相手の設定で二十秒だったのだ。時間切れ負け。
棋聖戦の第五局で山下棋聖がパスした。立会人を呼んで終局。これも珍型だろう。
ルールによれば、両方がバスすれば停止(ここで終局ではない)。その後死活の確認で意見が分かれれば、再開を主張した相手の手番で再開する。
半目勝負だったらそうなったかと思ったが、どうもそうはならないらしい。わたしの能力ではこの問題はパス。
珍型といえば、小龍女が子どものころお墓に住んでいたというのも珍型。
先日、武侠迷(武侠ファン)の集まりがあった。わたしは関東幇会爛柯派、得意技は「謫仙游頂」なんてことになりそう(^。^)。
冗談はともかく、そこで出た質問。
問「謫仙楼対局って、本当にあったンですか。本当に小龍女とか聖姑とか呼んでるンですか」
謫「ウワー、それはあの〜。わたしがつけたハンドルネームでその〜」
問「続きは、小龍女は孤児で、尼さんが引き取った。尼さんはひとり暮らしの老婆に世話をさせたが、住む場所がなく、昔お墓だったという洞窟に住んだ。と、こうなるのでは」
謫「尼さんの住む庵が小さいので、庫裡として使っていた洞窟を利用したとか、もう少し色を付けて…」