井上祐美子 学習研究社 01.2
時は南宋の終わるころ。中国の北半分を支配していた金は中国化して、弱体となり、北には蒙古が勃興してきた。
このとき、山東半島近辺を根城に、金に反旗を翻すグループがあった。紅襖軍という。その統領の名は楊妙真、四娘子(よんじょうし)といわれる。
謫仙注:読みは「しじょうし」ではないか。わざわざよんとかなをふってあるが?
このような歴史上に名があるが、実態が不明の女性を取りあげるのは、井上氏ならでは。
解説によれば、時代背景が複雑で、うまく当てはめるのに苦労したという。
南宋も金も末期状態で、自国の英雄をねたんで殺すことを繰り返している。そんな時ではうっかり大勝するわけにはいかない。そんな時代を読む小説であろう。
解説文に、日本人は中国の歴史を知っているようで知らない。たとえば、歴史上の女性を十人あげてみよ、という。
わたしは、10人は超えるが、西太后なども名としても、20人には至らなかった。
しかし、アメリカでもロシアでもインド・イギリス・エジプト・メキシコでも、どこでも10人の名は浮かびません。でも歴史を知らないという認識はある。この知らないという認識が中国では薄いのでしょうね。
三国志は知っていても岳飛を知らないとか。
2008年03月28日
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