2008年05月14日

マジシャン

   松岡圭祐   小学館  02.10.10
 目の前でお金が倍に増える。
 参考人たちが口をそろえて、こう証言する奇妙な出来事に、舛城(ますじょう)警部補は詐欺の臭いをかぎとったが、現在のところ被害者はいない。
 そのことを調べているとき、プロ用のマジックショップに行きあたる。その社長を追っていると、マジシャンになろうとする15歳の少女沙希が現れる。沙希がお金が倍に増えるトリックの説明をする。
 舛城が10年前に逮捕した詐欺師が沙希を援助していた。
 そして同時進行する、日本経済を壊滅させる恐れがあるインターネット上のウィルス問題。詐欺事件の解決と同じく、ウィルス問題も解決する。
 人を騙すことを業とする、詐欺師と奇術師の頭脳戦といえよう。だが、この両者には根本的な違いがある。
 舛城は次の問をすると、詐欺師は直ちに解く。しかし、奇術師は解けない普通の人なのだった。ただし、沙希は奇術師でありながら問を解くことができた。

「私は外国の、街灯もなければ民家の明かりもない曲がりくねった道を、ヘッドライトもつけずに百八十キロでクルマかっ飛ばしたことがあるんです。けれどもまったく危なげなく走りぬけました。なぜだかわかりますか」
 わたし(謫仙)は答えを知っても解けなかった。八十キロなら頷けるのだが。

「大物音楽プロデューサーと新人のアイドル歌手が子供をつくった。たがアイドル歌手の男性ファンはまったくショックを受けなかった。どうしてだと思う」

「顔がうりふたつで、生年月日も同じ、両親も同じの女の子がふたりいた。ところが彼女たちは双子じゃない。どうしてだと思う」

「キャンドルスタンドに、火のついた五本の蝋燭が立っていた。風が吹いて三本の火が消えたのち、風が入ってこないように窓を閉めた。残った蝋燭は何本だろうな」

 沙希はデビューの舞台で、殺されそうになる。ワイヤーを張る図を出して、犯人たちに張って貰うことになるが、ニセの図を渡す。
 それを犯人たちは沙希を切り裂くように張る。沙希はネタを仕込むと称して30分間ひとりにしてもらう。その時間に、犯人たちの意図には気付かずに、正しく張り替える。ニセの図を渡したのは張り替えるつもりであったからだった。
 この辺りは感動的なクライマックス。

 念のため答えを言っておこう。
昼だった・アイドルは男・三つ子以上の二人・三本(二本は燃えつきる)。
 全部にすぐ答えられた人は詐欺に遭うことはなさそうです。
posted by たくせん(謫仙) at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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