2008年06月07日

千里眼

   松岡圭祐  小学館  2000.4
 千里眼シリーズの第一作である。
 友里佐知子のもとで、カウンセラーとしての修行を積む岬美由紀が、カルト集団の攻撃を防ぐ物語。
        senligan.jpg
 横須賀基地から最新鋭のミサイルが発射される。目標は都心である。この着弾を阻止するために、ミサイルをコントロールする10桁の暗証番号を解読せねばならない。
 さらに羽田に集まる航空機が、爆撃機と誤認され、自衛隊機に打ち落とされる寸前にそれを防ぐ。
 防衛大学の主席卒業者で、優秀な戦闘機パイロットであった岬美由紀にしかできないことであった。
 その敵はなんと、師と慕う友里佐知子であった。
 わたしの読んだのは文庫本である。原作とはかなり変えたと聞く。

 羽田の官制を混乱する電波を発するのに東京湾観音を使うのは、羽田の官制塔より高いところから電波を発するため。わたしはこの設定に疑問を持っている。電波は発する高さとは無関係のハズ。これを改めると、この物語の半分は消えてしまう。
 そして羽田に集まる航空機を爆撃機と誤認して、自衛隊が迎撃しようとするのも、シンジラレナイ。
 10桁の暗証番号云々は、ありえないが、それができる人がいたという話なので、気にしない。この物語の大前提である。
posted by たくせん(謫仙) at 06:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 書庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
電波の発する高さの説明。
角川文庫の「クラッシックシリーズ1 千里眼」では
改訂の際カットされた部分ですね。
当時作者の方が知識がなかったり、それから変わった情報を
できるだけ現実に即した直し方をしているので
気になるようでしたら比べてお読みになるのも良いのかもしれません。

Posted by グーガ at 2008年06月07日 09:29
グーガさん、書き込みありがとうございます。
この改訂版から更に改訂されているんですね。おそらく読む機会はないと思いますが、読むことができたら比べてみます。
松岡さんは実に面白いところに目をつけたと、いつも思いながら読んでいます。ところが設定以外のところのミスはその面白さの足を引っ張ることになるのが残念です。
この問題、本を作る側にも多少の責任はあると思います。編集者が注意してやれないものか。
改訂されたということは、本人も自覚していて、調べたのでしょうね。
Posted by 謫仙 at 2008年06月08日 10:03
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