2010年07月23日

謫仙楼対局 勝負手

謫仙 :黒 六目半コミだし
聖姑 :白

 少し前の話だが、ネット碁で十数連敗したことがある。負け続けると何をやっても勝てない。さらに連敗を重ねたため、三子置かせて打った相手と二週間後には互先で打つことになった。
 この連敗のきっかけとなったのが、この対局だ。

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 黒がかなりいいと思っていた。黒1・白3を交換してから黒2に行く予定だった。だが黒1に手抜きをされて白2。打たれてみると、もう互角か。しかし黒番だ。
 ところが黒3にも手を抜いて白4。白4は腰が伸びすきているようだが、聖姑は「とても足りないので、勝負手のつもりでこう打って、打ち込みを誘いそれを攻めようと思った。中央から右辺の白が死んだら投了するつもりだった」と言う。
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2010年01月13日

謫仙楼対局 活死人墓

謫仙  :黒六目半コミだし
小龍女 :白
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  1図

 左上、黒が実利、白が勢力の別れ。その白模様に黒が打ち込んで逃げ切ったため、白地がほとんど無く、黒は四十目以上いいと思っていた。しかし、小龍女は投げずに続けて打つ。
 黒がタケフに打ってのぞいたので、白▲に打ってキリを防いだところ。単独で白▲に打たれれば警戒するが、黒のノゾキに続いて打ったので黒のダメが減ったのを気にしなかった。
 ここは、AかBに打って「勝ちました」と言わねばならない。ところが生きているつもりなので黒Cと打ってしまった。これだけ勝っているのだから余計な手だ。
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2009年11月26日

謫仙楼対局 第一局

黒 謫仙 六目半コミだし
白 小嫦娥

 この小嫦娥(しょうじょうが)との碁は一連の謫仙楼対局の第一局目である。
 当時はHPの時代であったが、ブログ開設の時にとりあえず別な名で転載しておいた。
 ようやく加筆訂正し、「謫仙楼対局」の第一局目とする。
 漢字が読みにくく難しいという話もあったので、かなを入れてみた。ほとんどは誰でもそう読みそうだ。おそらくそう読んだが、それでいいのかと疑問に思ったのであろう。

 なお、碁を知らない方のために
 この手段の「漢語名」はわたしがつけたのであり、実際にそういう名前の手があるわけではない。多くは金庸小説から拝借したが、わたしの独創もある。言葉の流れを楽しんで頂けたら幸いである。
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2009年07月01日

謫仙楼対局 碁は錯覚の藝なり

黒 小嫦娥 六目半コミだし
白 謫仙

 左下で戦いが始まった。そして、24目もの白石が全滅。

   go9.6.1.jpg
 本来なら投了するところだが、右側が手つかずの状態だったため、もう少し打ってみようと、大きく風呂敷を広げた。
 黒は中央から圧迫して白地を制限するだけでいいのに、中に打ち込んできた。これが実戦心理なんだろうな。その14目を殺しては振り出しに戻ったと思う。
 そこで、黒は上辺の白に手を付けてきた。

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 ここで、この劫に負けたらAが取られBを助けると後手、と大錯覚。劫に負けてもCにつなげばよい。それに気が付かず長考してしまったのが大失敗。なによりDに打って活きておいて、それからの話であった。たとえABを取られても、白は右上に先行すれば、勝機はある。
 それがABを取られては足りないと読んだのが問題だった。長考の末、なんとついでしまったのだ。

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 小嫦娥は「碁は錯覚の藝なり、と言ったのは誰だったかしら」などと言いながら、黒3と打つ。
 聖姑みたいなことを言うなと思いながら、「誰だろう、中山典之さんじゃなかったかしら」と白4に応じた。
 黒5となったとき、なんと打ったつもりのDを、まだ打っていなかったことに気づいた。
 うわー、オワだ。わずか数手の間に大きな錯覚が三つも重なっては、いくらなんでも勝つのは無理だ。
 ABを取られても右上に回れば…、というのはかなり高度な話にしても、劫を謝っても問題ないのは初心者でも判りそうなもの。まして、活きるのを忘れて劫の解消を先に打ち、黒5を打たれるまで気が付かないとは話にならぬ。
「碁は錯覚の藝か…」
「碁は錯覚の藝だけど、これは単なる錯覚、藝とはとてもいえないでしょう」
 そこまでダメを押すか!
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2009年02月13日

謫仙楼対局 形だけでは

黒 靖
白 謫仙 6目半コミだし

     go09-1-1.jpg

 黒が三三にツケ、白▲に打ったところ。
 今までは、自動的にAに打っていた。あるとき健二先生が、考えずに形だけでAに行くわたしを見て、「こんな手もあるンですよ」と教えてくれたのが白▲だった。
 それ以来この形になると、白▲を打って試している。すでに九局も打った。今回が十局目。
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2008年10月19日

謫仙楼対局 碁は半目勝てばいい!

黒 謫仙 六目半コミだし
白 聖姑
 これは酷暑の八月の対局であった。

   0810-1.jpg

 いま聖姑(せいこ)が白▲と打ったところ。流れでとりあえず打ったが、黒がAかBと打てば投了するつもりでいたらしい。わたしもそう打つつもりでいた。
 Aだけならなにも考えず打つのに、Bでもいいので、どちらがいいか確認するために一拍おく。そのため、那智黒を摘んで打ち下ろす間に、心境の変化があった。どちらでも同じだといっても、わざわざ損する手は打たない。AかBと考えてしまうと、もっといい手はないかと考えてしまったのだ。碁笥に手を入れてから打ち下ろすまでの間の出来心。
 結果、あまりにバカバカしい負け方をしたので、ここに発表するのも嫌になるほど。対局以来顔を見るたびに、「あれは載せないの」と催促される。
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2008年07月09日

謫仙楼対局 なんで本気に!!

黒 小東邪 三子
白 謫仙

 小東邪は前に五子局を紹介したが、すでに五子は卒業している。今回三子局での初めての対局となった。
 三子局では空きスミからとなる。白は小目に打った。黒は一間ガカリ。それをケイマにはさむ。
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 黒のワリコミに白は下から受けた。この受け方は白不利として、現在の定石書にはないらしい。わたしの好みだ。ここは白A黒▲となるのが普通の定石。
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2008年03月16日

謫仙楼対局 珍型

黒 謫仙   六目半コミ出し
白 小龍女

 碁はめったに現れない形がいろいろある。
 碁会所に通っていたころ半目勝負は珍しかった。一年に一局あるかないか。あるとき二局続いたことがある。わたしにとっては珍事であった。ところがネット碁を打つようになると、半目(持碁も含めて)勝負はけっこうある。珍しくも何ともない。
 図は欠け目生き。初めて現れた形なので紹介させて頂く。
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2008年02月20日

謫仙楼対局 中国ルール

黒 靖   コミなし
白 謫仙

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 今黒▲と切って(?)きたところ。大きく勝っていると思っていたので、黒▲の左に「勝ちました」と言って終わりにするのがよかったが、手がないと読み切り白1と打った。割り込んできても断点が二カ所あり問題ない。
 靖さんには定先にしてもらった。今までは白がコミを出していたが、今回はコミ無しである。
 それが黒にとって無言の圧力になるらしく、いつもより厳しくやってきた。そのためかえって白は打ちやすくなり、ここでは白は20目近くリードしているのではないかと思う。
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2008年01月03日

謫仙楼対局 とどめを刺す

黒 謫仙 六目半コミだし
白 聖姑

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 この場面では黒は盤面で10目程度勝っていると判断していた。
 負けるときは何をやっても勝てない。見落としがあって負けるのは当然としても、取ったと思ったら、劫になる手があってコウダテは相手が多かったとか。シチョウで取ったら、シチョウアタリが大きくて損したとか。読み勝って大石のとどめを刺したと思ったら、代わりの外壁が厚くて大きいとか。
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2007年12月07日

謫仙楼対局 貂蝉拝月

   貂蝉拝月(ちょうせんはいげつ)
黒 小嫦娥 六目半コミだし
白 謫仙
 小嫦娥(しょうじょうが)は前に観月対局で紹介したことがある。聖姑たちとは休みの日が違うので、顔を合わせることは少ないが、今日は仕事を休んでの来楼であった。棋力はおそらくわたしより上であろう。
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2007年10月31日

謫仙楼対局 基礎の死活(小東邪)

白 謫仙
黒 小東邪 五子

 もうヨセも終わりかけている。形勢互角であろう。
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2007年09月21日

謫仙楼対局 見損じ

黒 謫仙 6目半コミだし
白 聖姑

 いま白▲を打ったところ。黒1・白2・黒3がわたしの注文である。
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2007年09月05日

謫仙楼対局 桃花有情

白 謫仙 6目半コミだし
黒 靖

 今日は珍しく靖さんの登場。
 棋力はわたしに先二くらい。いつもわたしの白番で白コミ出しで打っている。
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2007年08月17日

謫仙楼対局 白無垢

  黒 謫仙 6目半コミだし
  白 小龍女
 盤上には、小龍女の好きな「天羅地網勢」が完成している。
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2007年08月04日

謫仙楼対局 聖姑

  黒 謫仙 5目半コミだし
  白 聖姑
 わが謫仙楼には、ときどき棋客が訪れる。狭いながら盤石を用意してある。これは10年前の聖姑(せいこ)との対局である。
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 ここで白▲に切ってきた。右下の黒は手を抜いても生きるのだろうか。それなら黒1でオワである。
 聖姑と知り合ったのは10年前であった。若い友人が結婚して、その花嫁の友人として祝いに来たのであった。たまたま碁の話が出て、「では謫仙楼で一局」となったのだ。
 棋力が判らないので互先で打った。
「わたし、来年は30になるのね、早くしないと…」などと言いながら打つ。
   go8-4-2.jpg
 手抜きはとても自信がなく、黒1・白2・黒3と打って「勝ちました」と言ったつもり。
 ところが白4・黒5・白6となって緊急事態。結局は黒は左半分をとられ投了した。
 聖姑の曰く「右下は黒は手を抜いてもよかったのよ」。しかも上の図でもオワとはいえないらしい。本当かなあ。
 この時点でそれが読める聖姑は、とてもわたしと互先とは思えない。二子以上の差がありそう。不思議なことに、その後は勝ったり負けたりでいい勝負なのだ。
 勝利の記念にと、謫仙楼自慢の謫仙酒130年物を一本要求した。どうして謫仙酒のあることを知っていたんだろう。

 先月来たときは、「わたしもいよいよ二十代とお別れだから」と言って、謫仙酒を持ち帰った。
 おいおい、10年前にもそんなこと言っていなかったかあ。
 10年後にも言われそうな気がしてきた。
posted by たくせん(謫仙) at 07:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 謫仙楼対局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月27日

在謫仙楼観月対局

06.11.27
 先日、謫仙楼で月を愛でながらの碁会があった。そこで印象に残った一局。
   黒 謫仙 6目半コミだし
   白 小嫦娥
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posted by たくせん(謫仙) at 10:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 謫仙楼対局 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする